ナミちゃんも無事で、ルフィはなにも言わなくてもチョッパーくんを気に入って仲間へと勧誘した。みんな、チョッパーくんを化け物なんて言わないよ。

「うわ、なんだこの化け物……」
「フミ〜〜〜〜〜〜ッ!!」

チョッパーくんに抱きつかれ、ウソップくんをにらむ。チョッパーくんは化け物なんかじゃない。

そして一味はアラバスタへ出航した。



02:元気を振る舞いながら嘘を吐く


「フミ。」
「ルフィ?」
「チョッパーと…仲良いな。」

拗ねたような顔のルフィに嬉しくなった。チョッパーくんに嫉妬してくれてるんだね。

「私可愛いもの大好きだから。」
「知ってる………、けどよ………」
「ルフィのことも大好きだよ。」

ルフィの頬が赤くなるのをみて、もっと嬉しくなった。ルフィのことがこの世で一番大好きなんだよ。

「いつも恥ずかしいからって言わないくせに……。」
「言いたくなったの。」

どうしても、君に伝えたくなったの。毎日、毎時間言っても足りないくらい、私は君が大好きって。そうしないと、悔いが残ると思うから。

「フミー!!」
「あ、チョッパーくんが呼んでる。」
「行くのか……?」
「うん、ごめんねルフィ。」
「今日はチョッパーに貸してやる。」

チュッと甘い音がして、ルフィの匂いに包まれた。私の大好きな匂い。

「行ってくるね、」
「おう、行ってこい。」

名残惜しくも、私はチョッパーくんのもとへ向かった。

メリー号には医務室なんかなくて、誰もこない倉庫へと入った。

「遅いぞ!フミ!」
「ごめんね、チョッパーくん。」
「診察始めるぞ。」

私が小さく頷くと、聴診器をつけて私の腹部にあてた。

「心臓はやいぞ?」
「それは…………ルフィのせいなの。」
「あんまりドキドキしすぎると、ちょっと危険なんだ。」
「そうなの?」

ドキドキすると、心臓が痛みやすくなるんだって。チョッパーくんは丁寧に教えてくれた。

「………みんなに、言わなくていいのか?」
「うん。私ね最後まで海賊やりたいの。ルフィは優しいから船を降りろって言うかもしれない。ナミちゃんやサンジくん、みんなは私に気を使ってくれるかもしれない。でも、どっちも嬉しいけど嫌なの。私はみんなと最後までいたいの。」

くまちゃんのぬいぐるみをぎゅーーっと抱きしめて、チョッパーくんの丸い瞳を真っ直ぐにみて伝えた。

「わかった。おれ、絶対言わない。」
「ありがとう……チョッパーくん。」

君にはお礼を言ってばかりだね。でも、本当に君には心の底から感謝してるんだよ。


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