メンバー消去番外編! spring special!! ――――――――――――― 麦わらの一味に花粉症は三人。チョッパーくんと私とブルックさん。骨なのにね、と言ったら悲しそうにするからもう言わないと決めた。 春島が近づいて一番初めに症状が出たのはチョッパーくん。ずっとくしゃみをしていて目も真っ赤に染めていた。 「薬用意するからな。」 「ありがとう、チョッパーくん。」 鼻が痒くなり始めたころ、暖かい陽気にみんな思い思いの時間を過ごしていた。でもルフィは私の隣から動こうとはしない。 「どうしたの?」 「春と同じ香りがするなァって。」 「香り?」 「花の香り。」 私のどこから花の香りがするかは知らないけど、ルフィは目を閉じて私の肩に頭を乗せた。寝るのかな。 「春島好きだなァ。」 「くしゅんっ!………花粉が飛ぶからちょっと苦手。」 「薬飲んだのか?」 「花粉のやつは飲んでない。」 悪感症の薬と花粉の薬を同時に飲んでしまうと副作用が出るかもしれないから、慎重に調合しないといけないらしい。チョッパーくんはいつも頑張ってくれてる。 「キスしたら、花粉症おれにうつるかもな。」 「花粉症はうつらないよ?」 「いいから。」 ルフィが近づいてきて、ちゅっと小さなリップ音がした。ただキスがしたいだけじゃない、なんてルフィを目の前にすれば言えない。ただ赤い顔をしてルフィの胸板を押すだけ。 「もう、全然変わらないよ。」 「何回もすればいいんじゃねェか?」 「そういう問題じゃないの!」 「素直に目閉じとけ。」 また近づいてくるから仕方なく目を閉じた。花粉とか考える前に恥ずかしいよ、こんな甲板の真ん中で。チョッパーくんとか薬を持ってきそうだ。 「あ、でも鼻がかゆくなくなったかも。」 何度目かの口付けで、そう感じた。まさか、本当に………と思っているとやっぱりくしゃみが出た。私のと、ルフィの。 「あれ?ルフィも?」 「鼻かゆい。」 「うつっちゃった!?」 それからナミも、ゾロも花粉症になってしまった。このままどんどん増えていくのかな。薬を飲んで、マスクを付けた。鼻をかんでいるルフィは辛そうな顔をする。 「キスしないほうがよかった?」 「またうつし返すだけだ。」 私のマスクの上からキスをして、マスクを取り払ってからまたキスをした。なんだか甘えただなぁ、と思いながらこの幸せを噛み締めた。 甘く柔らかに (いくらキスできるからって) (やっぱり花粉は嫌いです) 戻る |