メンバー消去番外編! winter special!! ――――――――――――― 「雪………」 雪が降る。その雪を見ると、私が初めて"死"覚悟したときのことを思い出す。あまりにも衝撃的で、全然信じられなかった。隣で目を輝かせているチョッパーくんは、故郷のことを思い出しているのだろう。 少し、複雑だ。 「これ付けろ。」 「ぐふっ!!」 いきなり首を絞められて、もしナミちゃんにルフィが殴られてなかったら、私は死んでいたのかもしれない。私の首を絞めていたのは、真っ白なマフラーだった。 「すぐ風邪ひくからな。」 そう、ここ最近風邪をひいては休んでの繰り返しだ。その度にルフィに怒られたり、優しく看病されたりと、そんな日々を過ごしている。 「ありがとう、ルフィ。」 「お、おう。」 顔を赤く染めるルフィは照れてる証拠。私の手を優しく握り、島に上陸していく。ここは冬島。特になにが栄えているわけでもなく、平凡な島。好きだな、こういうところ。 「雪だァ!!」 「わっ、待って!!」 ルフィに引っ張られ、転びそうになるけど、頑張ってついて行く。 「なァ。どっか行きたいとこあるか?」 「え?………うーん。」 「な、なんかあるだろ。」 「うーん、ルフィと行けるならどこでもいい。」 大きなため息が聞こえ、私はルフィの黒い瞳を見つめる。私は本心を言っただけで、ため息をつかれることは言ってない。 「ホント、おれはダメだ。」 「え?」 「敵わねェ………」 「誰に?」 口まで巻かれたマフラーを緩めて、ルフィはチュッとリップ音を立てて、キスしてきた。全然答えになってないよ。 「今、キスした奴に。」 「も、もう!名前で呼べばいいのに!」 「はやく来い。」 腰を掴まれ、ぐっと引き寄せられる。冬になってからスキンシップが多くなった気がする。いや、夏も多かったのかな。 「よし、かまくらでも作るか?」 「いつも雪だるまなのに。どうして?」 「なんとなく、今キスした奴と入りたくなった。」 「だ、だから名前で呼んでよ!」 呼んでほしかったらキスしてくれ、なんて言うから、私は雪を投げつけてやった。そこから雪合戦が始まるのはいつものことで、ルフィといつまでも、一緒にいたいと改めて思った。 そんな冬の日 (こんなに何気ない冬の日でも) (私のかけがえのない思い出のひとつで) (ボロボロになった今でも、思い出すんだよ) (いつでも暖かい君の笑った顔を) 戻る |