二年。

長いようで短いその期間は、私にとってはとても長いことで。もう彼らとは会えないということを思い知らされた。

彼の心がボロボロということも写真や新聞をみて理解した。その傍にいられないことが、一番の心残りだ。




16:偽りの日にちを真実に




「カメさん、ごほっ。これ、買ってきていただいてもいいですか?」

寝たきりの生活が続いた。新聞を毎日確認して、ルフィやみんなを探す日々。エースが死んだとわかったときは、涙が止まらなかった。だって、大切な幼なじみだから。そして数日後、私は最後にやり残したことをやろうと思う。

「これ、か?」

小さいメモ用紙を渡した。もう私はベットから出ることができない。

「お願いします。ごほっ」
「わかった。安静にしておくんじゃぞ。」
「はーい。」

カメさんは病室から出て行った。安静に、と言われたけど安静以外に私が今できることはない。ただ、パンダさんを抱きしめて、今までの航海の思い出に浸るしかない。


もう一度だけみんなに会いたい。そう願いながら。






いつでも頭の中に浮かぶのはフミの顔。二年後に再会することを仲間に伝えてからも、フミの顔は頭から離れない。


笑った顔も

泣いた顔も

怒った顔も

苦しんでる顔も

楽しそうな顔も

照れている顔も

おれをみる顔も


全部、全部、大好きで。頭から離れない。フミが病気になって、死ぬってわかった日、おれは1日中泣いた。不寝番なんてやる気もなく、ただ泣いていた。

そんなおれはフミが傍にいないだけで不安だ。今すぐにでもフミに会いに行きたい。この世のどこにいてもフミを見つけられる自信があった。


もう一度、フミに会わせてくれ。

ありがとう。

愛してる。

って伝えたいんだ。


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