誰かに起こされて、目を開けた。そこにうつったのは知らない人で、私は驚いて声も出なかった。どうやら、ここは病院らしい。



15:もう嘘でもいいから、お願い



病院にある窓の外を見る限り、どうやらシャボンディ諸島ではないみたい。シャボン玉がひとつも飛んでない。

「ここは………どこですか。」 

恐る恐る聞いてみると、目の前にいたおじいさんは驚いた顔をした。

「南の海、イオシャオイ島じゃよ。」
「……………南の海!?」

偉大なる航路、その一番端の新世界寄りにいた私が、どうして南の海に。これがバーソロミューくまの能力なのかな。み、みんなどうなっただろう。この島にいるのかな。

「あ、あの!!私以外に誰か来ていませんか!?」
「来ておらん。おぬしの名は?」
「フミ、です。」
「わしはカメじゃ。よろしく。」

カメさんはニッと笑った。すごく優しそうなおじいさんは白衣を着てるからやっぱり医者なんだろうか。

「この島は医療が優れた島でな。わしも医者じゃ。」

やっぱり、私は小さく頷く。それより、はやくシャボンディ諸島に行かないと、3日後に間に合わなくなる。

「カメさん。助けていただいてありがとうございました!私もう行かないといけないんです!」

寝ていたベットから降りて走ろうとすると、足に力が入らずにその場へ座り込んでしまった。あれ、全然力が入らない。

「おぬし、悪感症という病気じゃ。」
「知ってます。余命1年とある医者に言われました。」

カメさんは少し驚いた顔をしたあと、真剣な表情に変わりぽつりと話し始めた。

「余命宣告されて数ヶ月たってるじゃろう。もう骨も臓器もボロボロ。あと数週間といったところか。」
「余命が、ですか?」

パニックにならなかったのは、きっと腕の中にルフィからもらったパンダさんがいるからだろう。ぎゅっと握ってもやっぱり怖いものは怖い。カメさんが頷くのをみて、私の中に絶望が生まれた。

どこかで私は死なないと思っていた。奇跡がおきて治るんだ、と。でも、そんな夢みたいな話あるわけなかった。私は死ぬんだ。

「だが、それを一ヶ月に延ばすことが、わしら医者にはできる。それが、精一杯じゃ。」
「カメさん…………お願いします!!私、まだやることが残ってるんです!!!」

寝かせてもらったベットの上で、頭を下げた。私の命を、今度はカメさんに預ける。

「まず、フミのことを教えてくれないか。」
「はい。」

私が海賊だってことと、仲間や婚約者のことを話しているうちに涙が止まらなくなってしまった。

最後にもう一度、会いたいよ。みんなに。











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イオシャオイ島。

並び替えると

イシャオオイ島。

変換すると

医者多い島。


特に意味はないですよ、って話。


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