みんなに話してから、少したって私の体調は悪化した。心臓が痛んだり、腹痛や頭痛に悩まされたり、熱がでたり、医務室に寝たきりになる生活が続いている。

新しい島についたにも関わらず、私は今日も医務室でひとり。チョッパーくんは薬を買いに行ってしまった。




12:嘘なしのプレゼント





「ナミ、1000ベリー貸してくれ。」
「また肉?じゃあ嫌よ。どれだけ貸してると思ってるの?」
「ちげぇよ。フミにプレゼント買うんだ。」
「プレゼント!?」

ルフィの口から肉以外の言葉がでるとは思っていなかったナミは、大声をあげて驚いた。

「変なものあげるんじゃないでしょうね。」
「ぬいぐるみ買うんだ。」
「ぬいぐるみ、ねぇ。」
「なんだよ。」

ナミは少し心配になって、ルフィに着いて行くことにした。ぬいぐるみが沢山売ってある可愛いお店に入っていくルフィは、パンダのぬいぐるみを手にとった。

「これ、フミが持ってたら可愛いと思うんだ。」
「可愛いじゃない。結構安いし。」

ナミの言葉でルフィの顔はぱぁっと明るくなった。結局買ったのは500ベリー。何時間も値切り続けるナミは鬼みたいだそうだ。

「お、おれ!今すぐサニー号戻る!!」

プレゼントをもち、走っていくルフィ。その後ろ姿をみて、ナミは笑った。

「私も、フミにプレゼント買おうかな。」







「フミー!!!!」

バタンッと音とともに入ってきたのは、なんだか嬉しそうなルフィ。チョッパーくんと顔を見合わせて笑った。

「こ、これ、フミにプレゼントだ!」
「プレゼント?私の誕生日じゃないよ?」
「いいから!開けてみろ!」

ルフィは早く中身をみてほしいのか、落ち着きがなかった。私の隣でうずうずしてる。

「おれもみたいぞ!」

チョッパーくんはルフィの隣にたち、私が開けるのを待ってる。私は袋を開けて、中身を取り出した。

「パ、パンダちゃん!!!可愛い!!!」

白と黒の、タレ目なパンダちゃん。可愛くて可愛くて、思わず抱きしめた。ルフィをみればニコニコと嬉しそうに笑ってる。

「ルフィ!!ありがとう!!!」

興奮のあまり、私はぎゅっとルフィに抱きついた。

「う、おわ、フミが喜んでくれるなら、それでいい。」

ルフィの顔をチラリと見れば、真っ赤に染まっていた。本当に大好き。

「こんなに喜ぶなら、もっと買ってくればよかったなー。」
「ルフィの優しさが嬉しかったんだよ!」

数じゃなくて、どれだけ気持ちがこもってるか、なんだよ。きっとルフィは何時間も悩んでくれてたと思うんだ。

「すげぇ悩んだんだ、フミの喜ぶ顔を想像しながら。」
「やっぱり!」
「やっぱり?」
「ううん、なーんにもないよ。」

抱きしめる手に力をいれて、ぎゅーっとする。

「あ、えっと、薬の時間なんだけど……」

チョッパーくんの声が聞こえて、ぱっと手を離す。恥ずかしい、顔に熱が集まるのがわかった。

「お、おう、わりィな。おれ外にいる。」

ダダーッと走っていく真っ赤な顔のルフィをチョッパーくんと小さく笑ってみつめた。


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