ずっと一緒に旅をしてきた、小さくて可愛い妹みたいな女の子。

みんな、あなたが大好きよ。



08:航海士と考古学者の真実



私の蜜柑畑によく遊びに来るフミの腕の中にはいつもクマのぬいぐるみがある。名前はないらしく、お母さんに作ってもらったみたい。最近、そのクマをみて、悲しそうな顔をする。理由はわからないけど、きっとその小さな体でなにかを抱えてるのよ。

「ねェ、フミ?」
「なに?ナミちゃん!」

フミのキャラメル色でふわふわの長い髪の毛を、優しくクシでといていた私の口は勝手に、フミを呼んでいた。特になにも用事があったわけじゃないから、私は言葉に詰まる。

「き、綺麗ね。フミの髪。」
「そんなこと初めて言われた」

フミが照れたように笑う、そこが可愛くてルフィにはもったいないって心の底から思った。あいつのどこがいいのかしら。

「ナミちゃんのオレンジ色、すごく綺麗。蜜柑のいい匂いもする。」

くんくんと私の髪を匂おうとするフミは、きゃんきゃんっと走り回る子犬みたい。

「私も、フミみたいに髪の毛伸ばそうかな。」

私の言葉で、鏡にうつる目の前のフミの目はキラキラと輝いていた。

「すごく、似合うと思う!!」
「そう?じゃあ髪が伸びたら、お揃いの髪型しましょうね?」
「うん!…………、……」

元気よく頷いたと思ったら、すごく悲しい表情へと変わるフミ。隠そうとしても無駄よ、全部鏡にうつってるんだから。

「それか、フミの髪をバッサリきっちゃうー?」

なんとかフミを笑顔にしたくて、笑える冗談を言ってみた。するとフミは少し考えてからぱぁーっと顔を明るくされた。まさか、まにうけたの?

「きりたい!!!」
「え、ええ?」

さっきよりもキラキラしたその目が、弱いのかもしれない、私。







本をもって、女部屋に戻るとフミの目は輝いていた。あら、可愛い。

「ロビーーーン!!」

珍しく、ナミが眉を下げて困惑していた。フミに甘いナミはいつもあの輝いた目に弱いのね。

「髪をきる?」
「ナミちゃんみたいにしてほしいの!」

私もナミのこといえないわね、フミに甘い自分に驚いた。ついついハナハナの実の能力を使って、沢山の手にハサミをもたせてフミの髪をバッサリときってしまうところだった。

「今の髪型も素敵よ?」
「でも………。」

しゅんっと、子犬が尻尾を下げて拗ねるみたいに、フミが悲しい表情をする。説得できるのはルフィくらいじゃないかしら。

「ルフィに聞いてみたらどうかしら。」

ナミは驚いた顔で私をみていたけど、少し考えて納得したみたい。フミは大好きなクマのぬいぐるみをおいて、女部屋から出て行った。

「ごめんね、ロビン。私が変なこと言っちゃったから。」
「でも、髪が短いフミにも興味はあるわ。」
「絶対可愛いわよ!あーみてみたい。」

ナミと私はフミが大好きだから、髪型も決められない。全部似合うと思うからかしらね。そうなれば、きっとルフィも決められないはずね。




結局、説得したのはゾロ。誰がきるんだ?と聞けばみんな答えられなかったからよ。計算して言ったのか、それとも天然なのか、たぶん後者だと思った私は小さく笑った。






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沙耶様リク
「ナミとロビンからみたヒロイン」

リクエストに関してはお返事はしません。コメントがあればお返事を書きます。

リクエストありがとうございました!

20130714


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