新しく仲間になったサウザンドサニー号。メリー号よりも大きくて、私は緑が豊かな甲板のブランコがお気に入り。チョッパーくんを膝の上に乗せて、こぐのが最近多い。

そして、やっとチョッパーくんの医務室ができた。白いベッドに薬品の匂い。毎日通っているせいか、この医務室が落ち着く場所になってる。



07:嘘をつけない人が好き



「チョッパーくん……時がすぎるのって、こんなにも早いんだね。」

定期的な診察が終わり、くまちゃんをぎゅっと抱きしめながら思わず呟いてしまった。チョッパーくんによると、病気は着々と進行しているらしい。私の言葉に、チョッパーくんは眉を下げて困った顔をする。

「ごめんね、つい考えちゃうの。みんなと冒険ができないときが……いつか、来るんだって……」
「フミ………おれ……」
「チョ、チョッパーくん!!泣かないで!!」

助けられないことを悔やみ、私のために泣いてくれてる。チョッパーくんはなにも悪くないのに。

「チョッパーくん………、そうだ!サニー号を探検しようよ。」
「……グスッ、探検?」
「うん。きっと楽しいよ。」
「おう!行こう!」

チョッパーくんの手を握って、医務室からでた。

私、強くなる。チョッパーくんに心配かけたくない。







「一通りまわったねー」
「そうだなー」
「お風呂入る?チョッパーくん。」
「汗かいたし、入ろうかな。」

チョッパーくんとほほえみ合い、メリー号より大きくなったお風呂場へと向かう。

「チョッパー!!!!!!!!!」

ダダダダッと大きな音をたてて走ってくるのは、大好きな人。

「フミとはおれが入る。」
「ええ?ル、ルフィ!?」
「おれは医務室に戻るな!」

チョッパーくんは私とルフィに優しく微笑んで、可愛い足取りで戻っていく。

「よし、入るぞ。」
「い、いやぁ!!」

私はくまちゃんを強く抱きしめて、首を横に振る。

「フミ、ずっとチョッパーと一緒にいただろ。寂しかったんだおれ。」
「そ、それと…お風呂にどんな関係が……!!」

顔が熱くなって、ドキドキと鼓動が激しくなる。ルフィとお風呂なんて、子供の頃入った記憶しかない。

「昔よく入ったろ?」
「今はむりィ!!」
「それ、邪魔だな。」

私の腕の中にいたくまちゃんは、今はもうルフィの手にある。

「か、返して!」
「返してほしかったら、着いてこい。」

ルフィの向かう先はお風呂場。

くまちゃんは私の大切なもので、もっていないと不安が押し寄せる。返してもらうにはついて行くしかない。

「ルフィのバカぁ!!」
「なんとでも言えよ、後悔するのはフミだぞ?」

ニヤリと意地悪な顔で笑うルフィ。

「な、なにするの」
「さぁな。」

ルフィにはいつまでたっても適わない。

「はやく来いよ!フミ!!」
「ルフィ!!!!」

私の方を振り返って、嬉しそうに笑うルフィをみたら、許すしかない。だってこんなにもルフィが大好きなんだから。


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