空島では特に症状は出ず、安心していた時だった、次の島へと進む船の中で、胸が痛み始めた。




05:君に嘘を吐かせる、くらいなら



「うっ………、」

あまりの苦しさに左胸を掴む。心臓が痛い。ご飯中だから私はみんなの注目を浴びる。抱きしめていたくまちゃんはいつの間にか地面へと落ちていた。

「フミっ!?」
「どうした!?」
「おいクソコック、毒でも盛ったんじゃねェのか?」
「んなことしてェよ!!それよりフミちゃん!!!」

チョッパーくんに抱えられ、ダイニングのソファへと寝かされる。

「胸が痛いのか?」

コクコクッと首を上下に振ると、チョッパーくんはどこかに走っていった。きっと薬をとりにいったんだろう。

「ううっ……!!」
「フミっ………、チョッパーはやく!」

目の前のルフィの顔は本当に焦った表情で、こんな状況でもちょっと嬉しかった。

「サンジ!!水を!」
「おう!」

戻ってきたチョッパーくんはサンジくんに水を要求すると、私へと近づいてきて、薬を口にいれた。

「チョッパー!水だ!」
「おう、ありがとう。」

すぐに入ってきた水で、薬を胃の中へと落とした。

「すぐに効いてくるからな。」
「…あり、がと…う……みんな。」

みんなは本当に心配して私をみてくれてる。特にルフィなんて、顔が青い。

「チョッパー!フミどうしたんだ?なにかの病気なのか?」
「薬のんだから、大丈夫だよ。」
「なんて病名なの?」
「それは…………」
「みんな…美味しいご飯冷めちゃうよ。私ももうすぐ収まりそうだから、残しておいてね。」

小さく微笑めば、みんなは安心したように笑って、テーブルへと戻っていく。ルフィはどこか納得していない表情だったけど。


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