「いらっしゃいませー……、また来たの?」
「よ!○○!」


夜のコンビニのバイト。名前だけしかしらないルフィという男の子。
毎日のように通っている。


「なァ、付き合ってくれよ」
「…、何歳?」
「17」
「…、私22だよ」
「え、全然見えねェ」


な、なんて失礼な…。
ルフィくんはニッと笑った。17歳ということは高校生か。
思い出すな…、楽しかった青春時代。


「高校生なら、もっと学校にかわいい子…いるんじゃないの?」
「○○が一番かわいい」


ルフィくんは照れることをサラっと言ってのける。


「あ、顔赤い」
「う、うるさい!!……、なに買いにきたの」
「…、今日はー」


ルフィくんは店内を歩き回って物色している。
来てから考えるのそろそろやめようよ…、なんて言えず、ひたすらルフィくんを見つめた。
夜のコンビニだからか、人は私達しかいなかった。


「○○、いつバイト終わるんだ?」
「あと一時間」
「長っ!」
「なに、別に関係ないでしょー」
「待っとく。」
「はっ!?」


衝撃的な言葉に、思わず声が漏れた。


「か、彼氏でもないのに…」
「彼氏候補だ」
「どうして…、そんなに…」
「んー…、おれの一目ぼれだ」
「っ!!」


文句を言いながらも私は、毎日ルフィくんが来るのを楽しみにしている気がする。
だから、バイトに行く前、鼻歌なんか歌ってたんだ。


「○○は、彼氏いるのか?」
「残念ながら、いません」
「じゃあ、おれがなる、彼氏。」
「え…、は…?」
「嫌なのか…?嫌なら…頑張って諦める」


嫌…かと聞かれたら嫌じゃない。
でも、まだ名前と年齢しか知らないんだよ…?
こういう時はどう答えたらいいんだろう。でも…諦めてほしく…ない。


「………、嫌…じゃない」
「じゃあいいよな!?」


ルフィくんはポテトチップスとコーラを持って、レジの中にいる私に顔だけを寄せた。
ち、近い…。


「駄目、」
「え…」
「でも、いろいろお互いを知ってからなら……いいよ?」


ルフィくんの顔は、パーッと明るくなった。


「じゃ、終わるまで待つからな。バイト。」
「え…?」
「だって彼氏だろ?」
「仮のね!!」


これからもっと、ルフィくんにハマっていく予感がするのは…、気のせいなんかじゃなさそうだ。






  
(毎日毎日、コンビニに行くのが楽しみで)
(最近ナミに怒られる。弁当食えって。)
(けどいいんだ、お前に会えるなら)




――――――――――――

久しぶりの現パロ。
ルフィを店員にしようかと思ったけど、まじめに働かなさそうなので、ボツとなりました。
ルフィがバイトなんて想像できない。


執筆 2013/02/22






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