誰にだって、自分の嫌なところが一つや二つあると思う。もちろん私にもあって、これは周りからみれば羨ましいと思われるかもしれないけれど、私からしたら本当に嫌なもの。

目の前のルフィはため息をつく。と言っても、麦わら帽子の一番上しか見えないから表情がわからない。つまり、私は背が高い。

「首、痛ェ。」
「ごめんね?」

私の身長は185cmと、大きい。フランキーやブルックに比べたら小さいけど、ルフィやナミと比べたら高過ぎるくらい。牛乳も嫌いだし、特になにかをしたわけじゃないのに、こんなに大きく育ってしまった。

「○○はスタイルいいわよね。」
「なに言ってんのナミ。」
「ホントだって!」
「お世辞はいいから。」

ナミはいいな、小さくてかわいくて、でも大人っぽくて。ルフィの横に並ぶナミはそれはもう人形みたいに可愛くて、撫でたくなった。

「サンジー、メシと牛乳ー。」

背が高くなりたいのか、最近牛乳をよく飲むルフィ。首が痛いから飲んでいるのか、それとも違う理由があるのか。

「牛乳好きなの?」
「背を伸ばしてェんだよ。」
「どうして?」
「○○より大きくなるんだ。」

だからその理由を聞いてるんだけど、その言葉はルフィの牛乳のビンを開ける音に掻き消された。

「チョッパー背を縮める薬とかないの?」
「ないよ、そんなの!」
「そっか。」

鏡を見つめてため息をつく。お母さんとお父さんはどちらも背が低かった。なのに、どうして私はこんなに成長してしまったんだろう。

「○○!2cm伸びてた!」
「どうしたの最近、背のことばっかり気にして」
「おれ気付いたんだ。おれが低かったら………」
「?、」

キスしにくいだろ?そう言ったルフィはニヤリと笑って、私に口付けた。あなたはゴムだから伸びて私にキスできるでしょ、そう言おうと思ったけれどどうでもよくなって、私もルフィにキスをした。







kiss me





修正20131212






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