「今日カラオケ行かね?」 「今日はパス!バイト!」 大学で仲のいい男の子。きっと彼は私のことが好きだろう。理由は、友達に聞いたから。でも、友達としか考えられなくて。告られたら断ろうと思ってる。そんな仲。 「なんのバイトしてんの?」 「ん?家庭教師!」 「マジで!?」 その家庭教師が楽しいの。高校生の勉強を教えてるんだけど、またその子がおもしろくて、そんなことを話すと彼は応援してくれた。 「こんにちは。」 「あ、○○さん、いつもありがとうございます。」 「これが仕事(バイト)なので、絶対に彼を大学に行かせてみせますから!」 「よろしくお願いします。」 「じゃあ、失礼します。」 私が教えている彼の兄はとても礼儀正しい。そしてイケメンで、きっとモテモテなんだろう。 私の生徒も例外ではない、そんなイケメンの弟なのだから、もちろん弟も、イケている。 「こんにちは、入りますよ!」 「おう!」 部屋に入ると、ベッドで寝転んで、漫画が転がった部屋で、その地面にある漫画を読み漁っていた。 「ルフィくん?また片付けてないの?」 「いいじゃねェか、それより○○!勉強!」 「2歳しか変わらないけど年上なんだから、ちょっとは敬ってほしいけど。」 「○○は○○だ」 「もう…いいわ。はやくやりましょう」 ルフィくんは高校三年生の受験生。成績は、はっきり言って絶望的、勉強ができない人だ。 「○○、全部丸がついたらチューしてくれ。」 「えっ!?」 「な?いいだろ?」 じっ、と私の瞳を覗くその黒い瞳は本気だ。私とキスしてなにがいいんだろうと思うけど、頷いておいた。きっと全部丸は無理だと、思ってるから。 ルフィくんは私の返事を聞くと、ニッコリ微笑んで、問題に集中していた。 「よし出来た!」 「間違ってますように。」 「全問正解だ。」 そんなバカな、そう言って丸つけを始める。丸、丸、丸、丸、丸…………丸。 「ぜ、全問正解!?」 「なっ!?」 「な、なんで!?」 「おれ、○○の大学行くことにした。」 どうして?そう聞こうとしたけれど、ルフィくんの唇でそれは塞がれた。まだなにも言ってないのに、長いキスをしてきたルフィくんは満足そうに笑った。 「ルフィくん、なめてる?」 「ん?」 「大人、なめてるでしょ。」 成人したばかりだけど、私をなめてもらっちゃ困る。微笑んで、そっとルフィくんをベッドに押し倒す。いつもと違った勉強だけど、許してね。 大人の時間 (今日は積極的だな) (おれ頑張るよ。) (お前と一緒に、) (行きてェからな) 受験の応援小説を書きたかったんだけど… 最後サボってるしっ!! 途中で出てきた礼儀正しいのもちろんサボ兄さんです(笑) 戻る ×
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