名前を呼んでも返事がない。聞こえているはずだ、けどこれは明らかに無視されてる。怒らせている、ということはわかるけど、なんで怒ってんのかわかんねェ。

「○○。」
「………。」

顔を覗き込んでも、ぷいっと逸らされてしまう。何度も名前を呼んでも、やっぱり無視される。無視とか嫌いだ、傷つくだろ。

「おーい。」
「…」
「なんで怒ってんだよ。」
「……………」

言ってくれねェとわかんねェよ。と呟くと、ピクッと肩が揺れた。少しだけ反省してるみたいだ。もともと無視とかできねェんだよ、お前は優しいから。

「おれ、なにしたかわかんねェんだ。ごめん。」

心当たりさえない。あるとすれば、昨日プリンを黙って食べてしまったこと。そんなに怒ることか?すると、バチッと目が合い、ゆっくりと口を開く。

「………、ナミの頭、撫でてた」

なんだ、嫉妬か。おれは安堵の息を漏らした。正直言って、妬かれるのは嬉しい。嬉しくねェ男なんてこの世にいねェだろ。

「私以外の女の子に優しくしないで。」
「○○、お前ホント可愛いな」
「話逸らさないでよ。」
「ごめん、」

目の前の、泣きそうで壊れそうな○○を優しく抱きしめた。心配しなくても、お前しかみてねェのに。でも、○○に甘えてほしいから、心の中だけで呟いておいた。そして、わしゃわしゃ、と○○の頭を撫でる。

「こうしてほしかったんだろ?」

からかって、怒ると思ったら、○○は恥ずかしそうに顔を赤く染めて頷くもんだから、おれは理性が保てなくなる。今すぐ押し倒して、隅々まで愛してやるのに。

「もっと撫でて。」


おれは○○をその場に押し倒した。




きゅんって音がした
(今日はいつもより強引なルフィに)
(早まる鼓動は収まることなんてなくて)
(ただ、ルフィの愛と熱を感じていた)




修正 20131127






戻る
×