気づいてくれるかな?



ドキドキ、ソワソワ。女の子は男の子に見ててほしいんだよ。変化に気付いてほしいんだよ。サニー号の甲板で、私は意味もなく歩いていた。変化に気付いてほしくて。

「○○、髪型変えた?」
「気づいてくれた?」

腰まであった長い髪を、思い切って少しだけだけど、ロビンに切ってもらった。始めに気づいてくれたのはナミ。髪を切っただけで、なんだか気分が違う。

「巻いたらもっと可愛くなるわよ。」
「ほんと?」
「やってあげるわ、おいで。」

私は大きく頷いて、ナミと共に女部屋へと向かう。君になんて言われるだろう、考えるだけでもウキウキ、ワクワクした。

「よし、完成。可愛いわ!」
「ありがとう!ナミ!」

クルクルと巻かれた髪はすごく可愛くて、ほんとに自分なのか疑うほど。ついでにメイクもしてもらった。ナミってばすごい。

そしてもう一度外に出てみた。風に揺れる髪は、シャンプーのいい匂いがした。でも甲板にはルフィがいなくて、船首に向かうと、やっぱりいた。

「ルフィ!」
「お、○○!」

ただ笑って見つめてくるだけのルフィ。あれ、気付いてないのかな。それと私に興味ないのかな。

「ここ、座れよ。」
「う、ん。」

ルフィの前に座り、後ろから抱きしめられる。いつもなら嬉しくて甘えるんだけど、今日はそんな気分じゃない。

「やっぱり○○はいい臭いするな。」
「くすぐったいよー。」

髪に顔を埋めながら、触るルフィ。いつも触ってるのに、短くなったことに気付かないのかな。

「ねみィ……」
「えっ!ちょっ!ルフィ!」

私の肩に頭を乗せて、眠ってしまったルフィの頭を撫でる。気づいてほしかったな。

「せっかく髪型変えたのに。」

ルフィに期待しない方がいいか。サンジになにか作ってもらおうと、立ち上がろうとしたら、急にルフィの手に力が入って、立てなかった。

「○○、可愛い。」
「起きてたの!?」
「ん、さっき起きた」

ルフィに強く抱きしめられる。

「気づいてた。」
「え?」
「髪、可愛いのはいつものことだから、言わなくていいと思ってた。」

頭を優しく撫でられ、ちゅっと頬にキスをされる。

「言葉にしてくれなきゃ、わかんないよ。」
「ん、ごめんな。」

耳元で呟くルフィの声に、私はどうにかなってしまいそうになった。別にルフィが悪いわけじゃないのに、勝手に拗ねた私が悪いんだ。

「私こそ、ごめんね。」

そういうと、ルフィは小さく笑った。

「な、なんで、笑ってっ!?」
「可愛かったから。」

まだ笑っているルフィの頭を叩いて、怒るけど、また笑われる。

「もう、やだ。」
「わりィっ、拗ねんなよ。」

無視していれば、軽く頭を叩かれた。

「好き、だ。」
「………私も、好き。」

結局は仲直りして、ずっとイチャイチャしてたなんていつものことだ。






イメージチェンジ
(どんなお前でも好きだから)
(別に外見は気にしねェんだ)






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