「ねェ、○○。」
「ん?」
「………今日こそ一緒に寝ない?」
「っ、ナ、ナミ?」

手をぎゅっと握られて、その瞳にじっと見つめられる。私たちはいわゆる同性愛というもので。でも、私にはきちんとした彼氏がいるんだ。この船のクルーだけど。

「いいでしょ?」

はぁっ、と息を吐くナミの音。いやらしいその音は私のなにかを刺激する。いけないとわかっていても、ついついナミを求めてしまうのだ。ゾクゾクと震える体、バクバクとなる心臓は、意外と心地よい。

「かわいいわね、○○。」

優しく髪を撫でられ、私はナミに抱き着いた。この柔らかい感触が好き。男の人のゴツゴツとした体は少し苦手だ。

「あいつなんかより、私がいいでしょ?」

ふぅっと耳元に息を吐きながらそんなことを言うものだから、頷いてしまった。体が熱くなって、ナミを抱きしめる力を強めた。ナミだってこの前、あの人とキスしてたくせによく言うわ。

「ナミのうそつき。」
「ヤキモチ?」
「……違うもん。」
「かわい。私は○○が一番よ。」

ちゅっとリップ音を立てて、頬にキスをされる。嫉妬している私はきっと、本気なんだろう。たとえ同性でも、そんなこと関係ない気がしてきた。

「ナミ。」
「なに?」
「ココに、キスして?」

自分の唇を人差し指でさし、ナミの瞳をじっと見つめて言った。女の子なのに背の高いナミをみつめて。

「仕方ないわね。」

ちゅっとまたリップ音を立てて、触れるだけのキスをするナミは少し嬉しそうだ。頬をピンクに染めるナミは可愛い。

「ん、もっと。」
「今日は大胆ね。」

私から首に腕を絡め、キスをする。もう、だめだ。私はまた、罪を犯す。






百合の花





ほんの遊び心で、ごめんなさい!
執筆20131215






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