夏島の一週間のログももうすぐたまる。だから私はルフィと最後に夏島を満喫したかったのに。ルフィはウソップとチョッパーと島へ入っていってしまった。 「…………、」 「そんなに拗ねないでよ○○。ルフィがそういうやつだってこと、あんたが一番わかってるでしょ?」 「でも……私忘れられてる気がするんだもん。」 ナミは私の頭をポンポンと叩いて、ゆるりと立ち上がった。追いかけてみたら?そう言い残して女部屋から出て行ってしまう。 追いかける、か。うんっと可愛くしてルフィをドキドキさせよう。そう思ってクローゼットを開けた。 夏島だけあって、ジリジリと照りつける太陽が熱い。白いレースの日傘をさしながら島の中へと入る。 「お嬢ちゃん!かき氷はいかが?」 「こっちはスイカあるよ!」 色んな人にサービスしてもらい、私の手の中にはたくさん美味しそうなものがある。トウモロコシを食べながらルフィを探した。 「○○ちゃん……?」 「あっ!サンジくん!」 たくさんの食材をもったサンジくんは前から歩いてきた。 「ルフィ見なかった?」 「見なかったな………それより、○○ちゃん。すごく素敵だよ。」 にこりと笑ったサンジくん。そんなにじっと見つめられたら誰だって照れる。 「ありがとう!」 「ルフィにはもったいないなぁ。」 「……え?」 「ルフィなんかやめておれと……、」 「サンジ!!」 すると大好きな声が後ろから聞こえて、ゆっくりと振り返った。そこにはやっぱりルフィがいて。少し怒っている表情だった。 「サンジだからって、許さねェぞ。」 「じゃあ○○ちゃん、寂しくなったらいつでもおれを頼ってね。」 そう言ってサンジくんは来た道を戻っていった。隣にいるルフィを横目でみるとバチッと目が合う。あ、怒ってる。 「なにしてんだよ、こんなところで。」 「島を探索してただけだよ?」 本当はルフィを探してたんだけど、恥ずかしいから言えない。ルフィは眉を寄せて私をみる。 「そんな格好して?」 「………変、かな?」 「いや、そうじゃなくて。可愛いから。サンジじゃなくて他の男だったらどうしてたんだよ。」 「私これでも海賊だよ?そんなに簡単に負けないよ。」 またルフィは眉を寄せる。そんなに怒らせること言ったかな。 「はぁ。わかってねェな。」 「………え?」 「お前が思ってる以上に、可愛いからな?」 「……なにそれ、………ん、」 町のど真ん中で、私の唇にルフィが自分の唇を押しつけてきた。恥ずかしくて、カァッと顔が熱くなる。 「ル、フィ。なにしてるの。」 「○○がわかってねェから悪い。」 「私………寂しかったの!ルフィと島でデートしたかった……一緒に色んなもの食べたかったの!」 泣きそうになって、日傘で顔を隠す。 「○○。明後日出港だろ?だから明日○○とデートしようと思って、いろいろウソップと場所考えてたんだ。」 傘を抜き取られ、両肩にルフィの手が乗ったかと思うとぐっと引き寄せられた。そのまま私はルフィの腕の中。 「わ、たしの為に?」 「当たり前だ。こんなに好きなのに、忘れるわけねェだろ。」 ドクンッドクンッとはやく脈打つルフィの鼓動を聞いて、安心した。私だけじゃないんだね、こんなに好きな気持ち。 「明日もいいけど。今日も一緒にいたい。」 ぎゅーっと抱きしめられたかと思うと、ぱっと離れたルフィは私の手を優しく握った。 「一週間ずっと一緒にいればよかったな。あー………もったいねェ。」 「今一緒にいれるだけで私は満足!」 「おれは満足じゃねェから、今日は容赦しねェぞ。」 「うん!」 ルフィの手を優しく握り返し、ゆっくりと歩き始める。夏の暑さも忘れて、君の熱にのぼせてく。 真っ赤な顔で私を見つめて (なに笑ってんだ?) (楽しいなって思ったの) (っ、………キスしていいか?) (うん) もうすぐ夏も終わり。はやく涼しくなーれ。 20130820 戻る ×
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