「寒い…」

雪が降る日の真夜中。冬島の海域に入っているため、すごく寒い。冷たくなっているベッドに入る。温もるまで、体を縮こませる。布団は頭まで被った。

「っ、」

こうしている時が一番嫌い。温かくなるまで眠れない。いっそナミのベッドに入ってしまおうか。怒られるからやめた。

モゾモゾ

布団の中に誰かが入ってくる気配がして、怖くなった。

「な、なに。」

暗くてなにも見えない。そして顔が出てきた。

「暖けェな」
「ルフィ!?なにしてるの!?」

ナミとロビンが起きないように、小声で話す。ルフィはニカッと笑って、口を開いた。

「ハンモックじゃ寒ィんだ。」
「ベッドもあるじゃない」
「ジャンケンで負けた」

不便なことに男部屋にはベッドが人数分無い。入るスペースも無い。不便なのはわかるけど、どうして私のベットなんだ。

「だからって…」
「一緒に寝よう」
「ね、寝ないよ!帰って!」
「寒ィからやだ。」
「…もぅ…今日だけだからね」
「○○!!ありがとな!」

そう言ってルフィは私に抱きついた。私は本当にルフィに甘い。好きだからというのもあるけど、なんだかお願いするときのルフィが可愛いんだ。我儘を言う子供みたいに。

「暖けェなー。」

ルフィのまだ冷たい髪を撫でると気持ち良さそうに目を瞑った。

「…○○…キスしていいか?」
「っ!?」

パチッと目を開いて、私の目をじっと見つめてくる。また私の弱い、お願いだ。でも、今回は負けない。だって、我慢できなくなるもん。

「…いいか?」
「ダメ」
「なんでだよ。」
「…止められなくなる…でしょ?」
「止めなくていいじゃんか。」

顔が熱くなるのがわかった。もしナミかロビンが起きてしまったら、そんなことを考えると恐怖で体が震えた。

「ナミ達が………」
「別にいいじゃねェか、続ければ。」
「バカ。」
「もう、おれはその気になっちまった。」
「そんなの知らないよ。」

こういう時に限って、頭を優しくなでてくる。私も、我慢できないときくらいあるんだよ。私は仕方なく、ルフィの頬にキスをした。

「これで我慢して」
「余計止められなくなった」

そう言うとルフィは私の唇にキスをした。

「ん、……だめ」
「やだ」
「んん、だ…めだって。私が我慢できなくなるの。」

私はルフィに背を向けた。ルフィに声をかけられても、無視した。

「わりィ、…キスしねェから。」
「ホント?」
「うん。」
「じゃあ、」

私はルフィをぎゅーっと抱きしめた。

「はぁ。拷問じゃねェか?」
「明日の朝なら、いいよ?」
「おれが満足するまでやるからな。」
「思う存分どうぞ。」

ルフィの欲情した息を聞きながら、私は胸の中で眠った。






寒さに震える夜だから
(触れてるのに触れてない気がするのは)
(きっと気のせいじゃねェよな)
(立てなくなるまで、やってやる。)
(だから、覚悟しとけよ)




裏展開の一歩手前。


修正20131105






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