私達はすぐに調査兵団に入るのではなく、訓練兵ということになった。先日訓練兵になったばかりだという104期達に混ざることになる。私とルフィも104期訓練兵だ。

「名前です、よろしくお願いします。」
「おれはルフィ!よろしくな!」

様々な目を向けられる。どうして途中参加なのか、こいつらは誰なのか、そんな目だ。

「なァ、名前。」
「ん?」
「このベルトきついな。」

訓練兵になるということは、訓練兵らしく制服というものを着なければならない。全身にベルトを巻き、ブーツをはく。いつもルフィはラフな格好をしていたから、この服を着る姿はどうも笑えてしまう。ウソップが見たら爆笑しているだろう。

「頑張ろうね、ルフィ。」
「へいちょーをびっくりさせてやろう」

ニッと笑うルフィを見ていたらなんとかなりそうな気がしてならない。こういう器の大きい所が船長らしい。

今日はまず座学らしく、一番後ろの席に二人並んで座った。すると前の席の金髪の少女が話しかけてきた。

「よろしくね、私はクリスタ」

まるで人形が動いているみたいに可愛いらしい。私は微笑みかけ、ルフィはよろしくなと小声で言った。クリスタの隣にいる黒髪の子は睨んできたけど。

「この子はユミル」
「あんた等は何で途中参加なわけ?」
「ユミル睨んじゃダメだよ」

話すべきだろうか。でもなんて言えばいいのか、"異世界から来て帰るために兵士になりたいがもう訓練兵募集は終了していたけれど待ってはいられないから特別に途中参加した"なんて信じてもらえる訳がない。

「言っても信じてもらえない様な理由かな。」
「あんた、信用されないよ」
「いいの、訓練を終えて壁外に出れさえすれば。」
「お前等調査兵団目指してんのか!?」

急に入って来たのはクリスタの右隣に座っていた会話を聞いていたらしい男の子。左隣のユミルは耳を塞いでその大きな声を聞こえないようにしていた。

「エレン・イェーガー!大声は出すな!」

怒られたエレンという子はまた私達の方を向き、興奮気味にオレもなんだと言ってきた。

「お前も調査兵団か!」

ルフィが楽しそうに笑うのを見て顔を引き攣らせたのが数人いた。壁外に行って巨人に食べられるかもしれないのによくもまぁ楽しそうに笑うもんだ、なんて思われてもおかしくない。ユミルもそのうちの一人みたいで呆れたため息が聞こえてきた。

「エレン、ちゃんと前を向いて。」
「そうだよエレン、点数下がるよ」
「わかったよ」

エレンの隣にいる黒髪の美人な女の子と金髪の髪がふんわりとした男の子。後で挨拶しよう。隣で豪快に寝ているルフィを横目に巨人について話す教官の声を聞いた。



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