時系列は2期らへん。凛が心配なのと遙への想いを断ち切るために鮫柄(共学設定)へ。けどやっぱり遙が好きで……。二人から愛され、それ以外からはただの友達として扱われる。


△▼△


急に頭を掴まれて、揺さぶられれば誰だって驚くと思う。変な声を出すと、私の頭を掴んでいた凛が爆笑している。三年生になり、遙かとのギクシャクもなくなり夢に向かってる凛は何だか輝いて見えた。あんなに病んだり怒ったりしてたくせに、心配してあげた私に感謝くらいしなさいよね。

「朝からやめてよね、せっかくセットしてきたのに。」
「ボサボサは変わってねぇよ。」

私の肩に手を回し、鮫柄学園の廊下を歩き出す凛。いや、普通に重いんですけど。どうせ何言ってもやめないから黙るしかなかった。せっかく今日は遙に会うから気合い入れてメイクも髪の毛もしてきたのに。朝から台無しだ。

「凛の馬鹿。」
「……悪かったよ、そんなに怒ることか?」
「乙女心なんて凛にはわかりませんよーっだ!」

凛の手を叩き、走り出す。

「そんなにハルがいいかよ!」
「当たり前でしょ。」

遙以外見てないし、見る気もない。凛は私に追いつこうとせず、トボトボと歩いていた。どうして急にそんな態度とるわけ?

「凛も遙好きでしょ?」
「聞くなよ。」
「私は好きだよ。」

四人が初めてリレーを泳いだあの日よりも前から私は遙が好きだったよ。もうフられたけど。

「じゃあ何で俺と同じ高校に来たんだよ。」
「凛が寂しがり屋だから。」

凛は目をパチクリとさせて驚いた後、声を出して笑った。何が面白いかはわからないけど、凛が笑顔ならいいや。

凛が寂しがり屋なんて理由で志望校は選ばない。遙にフられて、それでも好きなのは変わりなくて、諦める為に凛についていった。忘れるために凛を利用してる最低な女なんだ。それでも凛は一緒にいてくれる。

「松岡先輩!!」

そう言って笑顔で凛の元へ走ってくるのは、水泳部の後輩の似鳥 愛一郎くん。凛に憧れ、慕っている可愛い男の子だ。渚に似てるような、そうでないような。

「おはようございます!あ、名前先輩も。」
「おい、名前のことは名字先輩って呼べって言ってんだろ。」
「まぁまぁ、後輩に嫉妬しないの!」
「嫉妬じゃねぇ!」
「行こ、愛一郎くん。」

愛一郎くんの肩に手を回し、歩き出す。

「あと二人共、私のことはあだ名って呼んでよね。」

渚にあだ名ちゃんって呼ばれるのが好きだったりするんだよね。気に入ってるし。あと、遙にだけ名前って呼ばれたい。



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