1200年3月15日に生まれた。物心ついたころから、なにか大きな人間が出てくる夢を見るようになり、20歳になった今日すべてを思い出した。前世の記憶がある。武士が多いこの世の中で、リヴァイを見つけることはできるのだろうか。いや、リヴァイがいるのだろうか。

「名前も20か。」
「父様、私は旅に出ようかと思います。」
「旅?」
「探さなければならない人がいるのです。」

父は納得いかない顔をしたが、私は両親の反対を押し切り家を飛び出した。といってもリヴァイに会える保証はない。色んな所を回りながら、時には働いたりもした。

巨人はいなくなったのだろうか。人類は勝利したのだろうか。途中で死んでしまった私にはわからないことだ。リヴァイに会えばわかるのだろうか。

甘味処で働いていた時のこと、ついに出会った。お互いに目を合わせた瞬間に固まり、言葉を発することができなかった。

「……………名前。」
「リヴァイっ!!」

店員と客という関係だというのに、私達は抱きしめあった。何百年間の空白を埋めるように、強く。

「先に死んで、ごめんね。ずっと謝りたかったの。」
「お前が死んでから、俺もすぐに死んだ。」
「え……?」
「どうやら名前がいなくなってから、俺は壊れたらしい。無作為に巨人共を削ぎまくり、気付けば掴まれ食われてた。」

嬉しいような嬉しくないような、でも今こうして会えたのだからもう過去なんてどうでもいい。

その後、私達は交際する間もなくすぐに婚約した。交際なら何百年も前に沢山したから、意味はない。

「あの時、私の言葉をリヴァイは聞いてくれなかった。」
「聞かなくても、わかってた。」

また愛して欲しいんだろ?とリヴァイは私の耳元で囁いた。また愛して欲しいとあの時言えなかったのを後悔していたがどうやら伝わっていたらしい。

「これからも、ずっと愛して。忘れないで。」
「忘れねぇ、だから名前も忘れるな。」

私は大きく頷いて、キスを交わした。何度生まれ変わってもまたリヴァイに会える気がする。


今回の人生ももう終わりにしよう。しわくちゃの手を握り、私は目を閉じた。



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