>>ひまわりと太陽

アルバイト初日、色々覚えることは大変だったけどノジコさんに優しく教えてもらって何とか人を席まで運ぶところまでは出来た。

「アキー、休憩入っていいわよ。これ、食べてみて。新商品のミカンを使ったパフェ。」
「ありがとうございます!ミカンを使ったメニューはすごく人気ですね!」
「うちの自慢のミカンだからね。」

パフェを一口食べると、想像してた何倍も美味しくてスプーンが止まらなかった。爽やかで、夏にピッタリだと思う。そう感想を言うと、期間限定ではなくて普通に販売していこうかなと悩みながらキッチンに戻って行った。

「新任なのよね、あなた。」
「はい!アキです、よろしくお願いします!」

同じく休憩していた大人のお姉さんは、話しているうちにとても気が合う人だと言うことがわかった。

「私これでも子供がいるの。」
「え!?大学生ですよね?」
「ううん、大学は途中で。子供ができちゃって、旦那には逃げられたけどここの社員で頑張らせてもらってる。」

サバサバしている性格はナミにそっくりで、だから安心するのかもしれない。そんな彼女でも沢山悩んできて沢山泣いて、でも今こんなにも強く生きているんだからすごいと思う。

「あ、そうだ。私はクロンよ。」
「クロンさん、よろしくお願いします!」
「クロンちゃん、でいいわよ。敬語もなしで。」

クロンちゃん、と呼ぶとその長い黒髪を整えながら照れ臭そうに返事をした。クロンちゃんは今までしてきた恋の話とか、子供の話をたくさん聞かせてくれる。人生の先輩であり、ファミレスの先輩でもある。そんな人。

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