ーーーーー流れた時間はゆるりと過ぎて
「今年の出し物決めるぞー!」
もうすぐ文化祭ということで、学級委員のナミちゃんとルフィくんが前に立ち、そう言った。
窓の外を見ると、オレンジ色の風景だったのに葉が散って、文化祭シーズンが訪れたことを意味していた。
「おれたこ焼きがいい!!」
「ルフィ、てめェ自分が食う為だろうが!!」
「失敬なやつだな、サンジ。おれは絶対に食わねェよ!」
「嘘ついてる顔だ!!」
ルフィくんの言葉で、クラスのみんなが笑顔になる。いつでも彼はクラスの中心だ。
ルフィくんとサンジくんが口喧嘩を始め、それをナミちゃんが止める。いつもの光景。
転校してきてもう2か月経っていた。
麦わら部も毎日活動しているし、ゾロとは相変わらず一緒に帰ってその日ルフィくんと何を話したとか他愛もない話をしている。ショータとはすれ違う度に話したり、連絡したりしている。
ルフィくんとはあの日の電話以来、特に進展はしていない。
「アキはなにかやりたいことある?」
席替えで隣の席になったロビンちゃんに聞かれて、悩む。メイド喫茶とかカフェとかお化け屋敷がベタだけど。うーん、なんでもいいかな。
「このクラスでやるならなんでも楽しいから、なんでもいいよ!」
「ふふっ、そうね。」
ロビンちゃんの笑った顔があまりにも綺麗で見惚れてしまった。そんな私をみてロビンちゃんはまた笑う。
「私一回やってみたかったことがあるの!」
ナミちゃんが大きく手を上げていった。全員の目線が集中する。
「なんだ?」
「定番の、コスプレ喫茶よ!私がやりたいのはおとぎ話喫茶!」
「なんだそれ!?」
「おとぎ話に出てくる格好をして、演じながら喫茶店をするの!楽しそうじゃない?」
「なんかおもしろそうだな!!」
ナミちゃんの意見にみんなが賛成して、シャンクス先生もその光景を優しく見ている。満場一致で「おとぎ話喫茶」に決定した。
楽しい文化祭になりそうで今からワクワクと胸が高まった。
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