ーーーーー何かが落ちる音がした
 
 
学校へと向かう道。そこを通るのは7回目。そう、あれから一週間がすぎた。
私と目が合う度にルフィくんは「麦わら部に入れよ!」と私を誘った。返事を伸ばし続けて、やっと昨日の夜に決心したのだ。麦わら部に入ろう、と。
変わらなければならない、とずっと思っていた。そのためにお母さんとお父さんは引っ越しまでして私を新しい環境においてくれたのだから。でも、これ以上ルフィくんを好きになってしまったら。と不安は大きい。まだ勘違い程度、一目惚れ程度のこの想いがどんどん大きくなる気がしてならない。でも、ルフィくん達との関係は切りたくなかった。それよりももっと仲良くなりたかった。
麦わら部に入ればみんながいる。ナミちゃん、ウソップくん、サンジくん、ゾロくん、ロビンちゃん。みんな、私を快く迎えてくれるようだった。

道の先にナミちゃんとルフィくんがいた。幼馴染らしく、家は隣で放課後も一緒に帰ってるって言うし、羨ましいくらい眩しいカップルだった。二人が並ぶと、本当にお似合いで、応援しようって気持ちのほうが強い。

「アキ!おはよう!」

「アキ!麦わら部入れよ!」

「アキ、何度もしつこくてごめんね。でも、もし入ってくれるなら私も大歓迎よ。」

やっぱり、今日も誘ってくれるんだ。と胸が温かくなる。今度は私から、ちゃんと伝えないと。

「遅くなってごめんね。何回も諦めずに誘ってくれてありがとう。私を、麦わら部に入れて下さい!」

深々と頭を下げれば、ルフィくんとナミちゃんの笑い声が聞こえた。

「おお!!やったぞナミ!今日は宴だ!」

「宴って…歓迎会ね!ジュースもお菓子も用意しなくちゃ」

「ありがとう!」

笑顔でお礼を言うと、突然ルフィくんが立ち止まった。何事かと、ナミちゃんと私は振り返ってルフィくんを見つめる。

「な、んか………」

「え?」

「なんか、アキが……」

「私?」

ルフィくんはその後、なにも言わなかった。
早歩きで、立ち止まった私とナミちゃんを置いて行ってしまったからだ。
立ち止まったのはルフィくんなのに、先に歩いて行く。ナミちゃんと顔を見合わせて疑問を浮かべた。

「なに、あいつ」

「どうしたのかな?」

私が、なんだろう。気になって追いかけて聞いてみても教えてくれない。なにを考えて、なにを思ってくれたんだろう。後ろからナミちゃんも追いかけてきて、少し疑問は残るけど三人で学校に向かった。



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