ーーーーー渦巻き続けた嫉妬心
 
 
「告白されたんだって!?」

「どこのどいつだ、おれが蹴り倒すからねー!アキちゃん!」

ショータに「気になる」と言われた次の日。教室に入るとウソップくんとサンジくんが近寄ってきた。

「告白じゃないよ!」

「で、アキはどうするんだ?」

ゾロもこちらに歩きながら聞いてきた。どうするもなにも…

「友達になるつもり」

「「友達ィ?」」

ウソップくんとサンジくんが顔を見合わせる。

「友達で済むはずが…」

「アキちゃん!」

ウソップくんの言葉の途中で、名前を呼ばれた。声の先は教室の扉からで、ショータが私の方を見ている。

「あれが例のショータって野郎か?」

「へー。イケメンじゃねェか」

サンジくんとウソップくんがコソコソ話すのが聞こえたが、私は急いで扉の方に向かう。

「朝からごめん。それと、昨日も急に帰ってごめんね。ダサすぎるから見て欲しくなくて。」

「大丈夫だよ。どうしたの?」

「昨日言ってた連絡先。聞いてもいい?」

「うん、もちろん」

お互いスマホを取り出して連絡先を交換した。ショータの顔が嬉しそうに綻んでいて、私は微笑む。

「やった。連絡って気軽にしてもいい?」

「うん、大丈夫。ありがとう」

「じゃ、今日からよろしくね。アキちゃん」

ショータはそう言って笑って、廊下を歩いていく。一度振り返って、私に手を振ってくれた。可愛いって思ってしまう。ルフィくんのことが好きだとしても、男の子にそういうことされるとドキドキしちゃうなぁ。

「連絡先交換したのか?」

「わ、ゾロ!」

振り返るとゾロがいて思わず声を上げる。

「なんだ?何しにきたんだあいつ」

ショータと話している間に教室に入ってきたらしいルフィくんもゾロの後ろにいた。みんなそんなにショータのことが気になるんだ。

「連絡先交換したの」

「なんで!?」

「友達になろうと思って」

この学校で変わりたいと思った私にとって、友達はその二歩目だ。一歩目は麦わら部に入ったこと。
ルフィくんの眉間に皺がより、ゾロはなぜかそのまま自分の机に戻って行く。

「?、どうしたの?」

「友達かァ……わかった!」

そう言ってルフィくんも机に歩いて行く。え、一体なんだったんだろう。疑問に思いながら私も席に着くと同時にチャイムが鳴った。

「アキも大変だな」

「え、ウソップくんもなに?」

後ろから声がして振り返ると、ウソップくんが笑っていた。

「告白された女は大変だなって話。」

「もう、からかいすぎだよ!」

からかい続けるウソップくんにもう一言付け加えようとしたけど先生が入ってきたため、止めた。今日はみんなの様子がおかしい。でも、私自身もすごくおかしい。昨日からずっとショータの言葉を思い出しては赤面している。意識しちゃって、照れてしまう。
また思い出して、首を横に振ると前の方の席に座るルフィくんの目が合った。どうして、こっちを見て…。すぐにルフィくんは前を向いたけど、もう頭の中はルフィくんになってしまった。



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