こんな感情俺は知らない
  




「おはようございます。水稀さん」
「お、おはよう…黒子君…」


なんだんだ、こいつら。
なんか、知んねぇけど
なんでか、分かんねぇけど


ムカつく



朝練終わって、部室で着替えて出てきたら、いつの間に着替え終わってたんだよ、黒子!
って、ツッコミ入れたくなった。
そのくらい早くて。んで、ちゃっかり水稀の隣に居た。



昨日話してて思ったが、黒子ってあんな顔で話すんだな。
まぁ、元々表情が出ないから分からねぇけど。
あんまし、あぁ言う顔で話してるの見たことねぇや。



「へぇ、黒子君のお友達なんだ、あの子」
「てっきり火神の彼女かと思ったんだけど、違うんだな」
「!!か、カントク!キャプテン!!」

「「よっ」」
「いきなり背後着くな!!です!!」


いつのまに居たんだよ!っか、よく見るといっぱい居るじゃねぇか!

「で、あの子は一体誰なの?」
「あ〜…同じクラスなんすよ」
「同じクラス…へぇ……」

カントクが変な笑い浮かべてる。…なんだろう嫌な予感しかしねぇんだけど。


「火神君、練習見学ありがとう」

黒子と一緒に、俺の前に居た。

「いや、別に」
まっすぐ見てくる水稀の事をなぜか見れなくて、顔を逸らした。
「…じゃぁ、先に教室行くね」
「水稀さん、僕も行きます」

やべ!
そう咄嗟に呼びとめ様としたとき、後ろから腕引っ張られた。
んで、そのまま後ろに扱けた。

「っいってぇ〜…誰だ!!キャプテンすか!!?」
「んな訳ねぇだろ!…カントクだよ……」
「は?」


「ねぇ、練習見てどうだった?」
「へ?」

俺を投げ?飛ばしたカントクが水稀と話してた。満面の笑み浮かべて。
「…キャプテン、嫌な予感するんすけど」
「言うな、俺には止めれん」


触らぬ神に祟りなし

そう呟いて、一歩下がったところで、様子を伺いだした。
(触らぬ神に祟りなしってなんだ…?)



カントクと黒子、水稀の所に入っていけない感じがした。
しょうがなく、その場で見る事にしたけど。




無性にイライラする。
なんでか、落ち着かない。
ときどき黒子と笑い合ってるアイツの顔が見れない。
なんなんだよ。



「じゃぁ、決まりね!また放課後来て!それからでも構わないから!」
「分かりました」
「よ〜し、って、火神君なんで座りこんでんの?」
「あんたがしたんだ!!ですよ!!」
「え〜?じゃぁ、早く教室行きなさいよ〜」



とぼけた声出して、謝罪はなし2年と一緒にその場を去った。



「火神君、大丈夫?」
「いつまで座り込んでるつもりですか?行きましょう」

はい。
差し出された手は、白くて、細くて、小さい。
俺が握ったら、潰してしまいそうなくらい。
けど


「サンキュ…」
「うん」



握った手は、柔らかく。
いつまでも、握って居たいと思った。
さっきまで感じてた、モヤモヤとか、色々な感情が薬が浸透していくかの様に


消えた



そんで、
こいつの手を誰にも触らせたくないと、本気で思った







初めて感じた、心地良いモノ






(……)
【チョップ(火神の手だけ)】
(いってぇ!!何すんだ、黒子!!)
(水稀さん、消毒しましょう)
(ばい菌扱いか!!)






…グダグダも良いところだ。火神は初恋は知らない間に終わってそう









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