笑顔が眩しい人に出会いました
  





いってきます。
マンションのエントランスを出て、少し寒かったけど、肌日差しが強かった。
まだ4月なのに…。
渋々日傘を出して駅に向かった。


すこし早い時間だからか、人がまばらだった。
これなら座れるかな。
朝のラッだけシュはなるべく避けたいので、大抵この時間だ。
学生もおそらく朝練がある人だけだろう。



今日は、昨日の彼……黒子君に挨拶する!という、意気込みがある。
いつもはただ学校に行けば良い。としか、考えてなくて。
その程度にしか思っていなくて。
けど、今日は違う。
ただ、意気込みがあるだけで、こんなにも朝が違うなんて思いもしなかった。


(人間って単純なのか…なんなのか…)


少し笑みがこぼれた。

「…ぷっ……」

え?

前の席からなんか、笑いが聞こえたような気がした。


赤い髪の、座ってても背が高いのが分かるくらいの、男子学生。
あ……この人

「火神君……?」
「おう…名前知ってたんだな」
「だって、同じクラスだし……、それに…」

それに、バスケ部の有名人じゃない。


「同じクラス……?あ、そうだ!昨日黒子と話してた奴だろ?」



黒子……



その名前に、すぐに反応してしまった自分が恥ずかしい。
顔が赤くなってしまった。その顔をみて、また前にいる火神君がまた笑った。

「な、なんで、笑うの…?」
「だってよ、さっきから忙しい奴だなって思ってよ。コロコロ顔変わるから」


面白いんだよ


ニカッと、眩しいくらいの笑顔
丁度朝日の光と重なって、キラキラ度が増した。


(き、昨日から男の子の笑顔にヤラれてる…!!)


「あ〜…悪い、名前なんだったけ?まだ、覚えてなくてよ」

どうやら人の名前覚えるの下手みたいだ。
「水稀翠南です。よろしく」
「火神大我」


少し無愛想な感じだけど、暖かい、やさしい人。

ホント昨日からこんな人に出会えてるな。
また、思わず笑みが出た。


「っ……、ほ、ホントにコロコロ笑う奴だな…」
(こっちまで、顔赤くなってきた!)

「火神君?どうしたの?」
「べ、別に…!!」

そう言って、隣に座り直した。
「?」
「混んできたから、こっちの方が話すいやし」



それから少ししたら、寝息が聞こえてきた。


少ない時間だけど、このままで



暖かい君の隣で
つかの間の休息を




朝日に似た、笑顔を見た朝





((って言っても駅は次なんだけど……))
((……寝れるか!!))







無理やり火神登場







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