心を温めてくれた人がいました
  




入学式から、早一週間が経った。
馴染めては居ない。けど挨拶程度交わす子は増えてきた。


馴染めてないのは自分の壁の所為
分かっているが、中々自分から行動出来ないでいる。




今日も一日の授業が無事に終わった〜。と、軽く腕を後ろに伸ばしたら何かと当たってしまった。慌てて、後ろを振り向くが…そこに人は居なかった。
確かに、物では無く、人だった気がしたが……。

「大丈夫ですか?」
……どこから、声が?不思議に思いながらも、周りを見渡すと、
水色の髪をした、男の子が立っていた。
「……あ、さっき、腕当たりました…?」
「ええ、まぁ……」

…うそ。全然気付かなかった……
「ごめんなさい!大丈夫?変な所あたりませんでしたか?」

慌てて謝罪したら、にこっと優しく微笑まれた。
「僕は平気です。気にしないで下さい。」


なんて紳士的な言い回し。
こんな人だったんだ。自己紹介の時に影薄いってみんなが言ってた。
確かに薄いけど、けど、なんだかホッとさせてくれる人だなって思う。

そんな彼を凝視してしまっていたらしく
「僕の顔になにかついてますか?」

なんて、首をかしげて聞かれた。


「っ!!」
お、男の子が首傾げてこんなに可愛くていいの!!?


いいえ!なんて、慌てて否定したから、彼にクスリと笑われてしまった。
笑った顔も可愛いとか、反則です……


「黒子〜、練習行くぞ〜!!」
「分かりました。それじゃ、また明日、水稀さん」



あ……



また、明日って返そうと思ったのに、口が動いてくれなかった


ぺこりと、軽く頭を下げて、教室を出て行った。



名前、覚えてくれてたんだ。
嬉しい、嬉しい……


どうしてだろう、こんなにも嬉しいなんて思いもしなかった。
女の子の輪の中に入っていこうとしなかったから、未だに一人。
それは自分の招いた結果だから。

けど、やっぱり一人は寂しい。



「……うん、また、明日、黒子君……」


こんなにも明日が待ち遠しいなんて、久しぶりだ






こんなにも
人に
会うのが待ち遠しい





明日はもっと輝く





(黒子、なにニヤニヤしてんだ?)
(ニヤニヤなんてしてませんよ?)
((いや、してる……))







黒子様が黒子様ではない



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -