あまりにも優しい世界でした
  





「今日はすみませんでした。練習抜けさせてしまって…」
「構わないわ!誘ったのはこっちだもの、そのくらいしないと…けど…」


昨日主治医の指示通り、部活の責任者つまりはカントクさんを病院に連れて来てとの事
だったから、今日放課後付き合ってもらった。

そんな面倒な事、話したらイヤだって、マネの話も白紙に戻されちゃうかもって思ったけど
カントクさんはそんな顔しないで、快く引き受けてくれた。
本当に良い人だらけの、バスケ部だって実感した。


「ホントに大丈夫なの…?マネ大変よ?」
「大丈夫です。元々体力はある方なんです。それに薬さえちゃんと飲めば発作は起きないので」




私が抱えてる病の事を先生は事細かに説明をした。
カントクはじっと聞いてくれて、マネにするにはどうしたらいいかと、聞いてくれた。
先生はその質問に強い意志を感じてくれたらしく、マネをすることを許可してくれた。


いくつか条件は付いたが、問題はない。
今までとほとんど変わらないから、大丈夫だ。


「…ただ、病院に行く回数増えました。マネしても御迷惑かけますが…」


そんなの気にしないわ。
そう、綺麗な笑顔で答えてくれた。


こんなに必要としてくれるなんて、思いもしなかった。


「ありがとう…ございます…。一生懸命、サポートさせてもらいます。カントクさんの
人選ミスって言われない様に」
「あはは、そうして貰えると助かるわ。よろしくね、マネージャー!」



握手

差し出された手を強く、強く握り返した。






「あ、そういえば、どうして私を誘ってくれたのですか?」
「あぁ……、私の一目ぼれvv」
「へっ!!?」
「って言うのは冗談…半分冗談だけど……」
「(半分って…)」




「凄く、好きそうな目で見てたから。バスケ…もしかして、バスケしてたの…?」

「……凄い観察力ですね…」



寂しそうな顔をして、私の言葉を待ってくれてるけど


「すみません…また、今度話して良いですか…?」
「整理が出来たら話してくれたら良いわ。さて、帰りましょ」




時期が来たら話します。
いずれはバレそうですが……
けど、今はまだ、このままで。




「明日から忙しくなります」
「頼りにしてるわ。これで、アイツらしごける!」
「へっ、あ、あれ以上にですかっ!!」



まだまだ!!




綺麗な星空のした、響いた声。
もしかしたら、部員さん達に聞こえたかも





大丈夫、大丈夫。
まだ、私はこの世界で生きていけそう。




ありがとう、私を見つけてくれて、ありがとう





(うっ!!!)
(ビクッ〜!!……なんだ、今監督の不気味な笑いが…)
(お、俺も〜…!)
(嫌な予感が…)
(こくこく)





やっと、マネ編だ…。どんだけ引っ張る私!上から、伊、日、金、土、水で









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