戻りたい場所なんです
  





あの場所に私が居てもいいのかな
こんな私でも
みんなの役に立てるなら

一緒に居たい
ただ、長くは続かないかもしれないけれど
それでも、笑いたいと思った



「じゃぁ、家あっちだから。わざわざありがとう」

「おう」
「気を付けて」

また明日。
手を振り、家に急ぐ。

あれから練習は下校時刻まで続き、私も最後まで見学していた。
帰り道は危険だからって黒子君が送りますって言ってくれた。
そしたら、火神君も一緒に行くって言ってくれて。

「「……」」

なんか二人がお互い無言で見てたけど。
大丈夫って言える雰囲気でもなかったから、ここは甘えさせてもらった。





「…マネになんのイヤとかじゃねぇよな」
「さぁ…違う理由がありそうですけど…とにかく答えちゃんと出してくれますよ」
「…おう」






ただいま。
朝同様、誰も居ない部屋。
一人暮らしを初めて一カ月。卒業と同時に家を出た。
初めは新鮮に感じたけど、次第に少し寂しくなってきた。
自分の我儘で家を出てるから簡単には戻れないど、心配性の両親が毎日メールをくれるから
大丈夫。

さてと……
ソファに腰掛け、携帯を出す。
リダイヤルを押し、一番上にある番号を押す。


Pluuuuu……


『はい、…総合病院です』
「水稀です。外科の新堂先生お願いします。」
『少々お待ち下さい』


マネをするには、この人の承諾が必要だから。
なんて、切り出そう。絶対に怒られるだうけど、あきらめたくない。

(緊張してきた…最近心臓に負担かかってるな…)


『お待たせしました。翠南ちゃん?どうしたの?具合悪くなったかい?』

少しぶっきらぼうな口調で話しるけど、ムチャクチャやさしい先生。
腕も凄いし、信頼できる先生。

「違います。体調は至って好調です。…ひとつ相談があります」
『なに?』




事の経緯を説明したら。やっぱり
『な、何考えてんの!!?ダメ!!』
「……どうしても、やりたいんです!無理はしません!お願いします!」
『ダメったらダメだ。許可は出来ない。諦めなさい』
「先生〜…お願い。後悔したくないんです。…」


その言葉に少しため息をついて
部の責任者を連れて来なさい。説明するから。
それでも、意思が変わらないなら、条件付きで許可してあげないこともない


……医者の使う言葉使いではないような気がするけど…


分かりました。そう言って電話を切った。
明日、カントクさんに相談しよう。
すべて分かってもらってから、もう一度カントクさんに聞いてみよう。





本当に私で良いのか






もう一度あの場所で笑いたいから




(もう、後悔はしたくないんです)
(あの場所に帰らせて)






変換少ない……やばいな…。医者の名前は某ドラマから








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