「白石の分からずや!!!」
私の彼氏の白石蔵ノ介は、妙にモテる。イケメンだし、テニス部の部長だし。そして何より、女の子に優しい。誰にでも平等に。それ故に彼は女の子から絶大な人気を誇っているのだ。
でも、彼女の私としてはちょっと複雑なんだけどね。
「何でや?誘われたから遊びに行っただけやん。別に疚しい事してへんで」
「白石はそうかもしれないけど、女の子はそうは思ってないの!」
「名前、俺の事信用してないんか?」
「信用できない」
だっていつも女の子にニコニコ笑顔振りまいちゃって、平気で二人きりで遊びに行くし…彼女としての立場ってものもあるわけで。
「なんや悲しいわ。俺信用なかったんか」
「あんたのどこを信用しろって言うのよ」
「ふーん…、もうええわ。ほな、俺行くわ」
「あっそ。もう白石なんて知らない」
そのまま私と白石は正反対の方向へ進み出し、私は教室へと駆け込んだ。
「って事があったのよ」
「お前らまたか…」
「何よまたって」
「白石のあれは病気やから仕方ないで」
「スピードスターの力でなんとかしてよ」
「いや、無茶言うなや」
あームカつく。私は白石の彼女なのに。白石が好きなのに。いつもこの事で喧嘩ばかり。
ほら白石の事考えてたら白石が教室入ってきた。私の方にチラリと視線を向けてすぐ反らされた。イライラする。そして女の子と話し始めた。しかも昨日デートした子だし。嫌なもの見ちゃったなー、最悪。
「…名前。」
「何よ謙也」
「俺が慰めたろか?」
「…はあ?」
何を言い出すかと思ったら。謙也の話によると、謙也はずっと私の事が好きだったらしい。相談聞くのも全部私を好きだから聞いてくれてたらしい。何それ今さらびっくり。
「確かに、謙也なら優しくしてくれそうかも」
「なら、付き合うか?」
うん、付き合お。
そう答えようとしたら誰かに突然肩を掴まれた。振り返ってみるとそれは私の彼氏(もう彼氏ではないかもしれないけど)の白石だった。
「名前、ちょっと来なさい」
「え、」
例の女の子ほったらかしで私達に怒りの目を向ける白石。何、私怒られるような事したっけ…?
白石に連れて来られたのはテニス部の部室。私部外者だよー、なんて言ってみても白石はシカト。珍しく怒っているらしい。
「俺はお前の何なん?」
何、と言われましても。一応まだ彼氏…なのかな。それとも別れたつもりなのかしら白石は。どちらにせよ何て答えればいいのか分からない。
「えーっ…、と…」
痺れを切らした白石は私の方に歩み寄ってきて、壁に私を押し付けた。
「俺は、お前の彼氏やろ」
「あー…、うん、心得てます。」
「じゃあ何で謙也と付き合う話になってるんか俺には理解出来ひん」
「あ、ご、ごめんなさい」
何これ。元はと言えば白石が悪いのに。何で私が怒られてるの。理解不能。
もうわけ分かんなくなって気がついたら涙が出てた。でも白石は私の頬を伝う涙を指で拭ってくれて、抱きしめてくれた。
「あー…、すまん、泣かせるつもりやなかってん」
「し、らいし、こわい…」
「泣かんといて、名前」
うそ。今の白石は優しくて好き。私の頬の涙を舐め取ってくれて、それが唇にうつる。キスしたのなんて久しぶりかも。そうボーっと考えてたら白石の舌が私の舌を絡ませていて…。
「う…ん、う、しらいし…」
「可愛ええ、名前」
キスをしながらシャツの中に手を入れてきてブラのホックを外される。きゅっと摘まれた乳首がジンジンして気持ちいい。
「気持ちい?」
「…ん、きもちいー…」
良かった、と蔵が笑って私の中に指を一本入れた。キスと胸だけなのに既に濡れていて、羞恥で顔が赤くなる。
あれ、私こんなに濡らしちゃう変態だったのかな…。
それもこれも白石が上手いから。長い指で丁寧に愛撫されて息が荒くなる。
「は、あ…っ」
「もう入れてええ?名前可愛すぎて我慢出来ひんわ」
「ん…、いいよ」
私の両足を抱えて、中にゆっくり白石が入ってくる。見た目の美しい容姿に似合わずペニスは大きくて、毎回の事ながらちょっとだけ苦しくて痛い。しかも今は白石に抱えられて足がつかない状態だから、より奥まで届いてくる。
「大丈夫か?全部、入ったで…」
「うん…っ、だいじょぶ…」
白石は私の返事を確認すると何かが切れたように激しく動き始めた。いつもより深い挿入に体が耐えられなくて度々ビクビク、と痺れる。
ああ恥ずかしい。私凄く感じてる。白石が突く度にイってしまう。
「アカン、今日、早いかも…っ」
「ん、いいよ。いっぱい出して…」
「は、あっ、イき、そうや…っ」
「蔵、好き、だよ。大好き、あ、わたし、も、イっちや、イク、」
「それ、反則や、で…っ!」
白石の精子がビュクビュク、と中に出される。いつもは中出ししたら怒るんだけど今日だけは特別。優しくしてくれたから。
「なあ、名前」
「んー…?」
後処理を済ませた後、私を抱きしめながら頭を撫でてくる白石。何だか凄く心地がいい。…不覚にも仲直りエッチにハマってしまった、私がいる。
「俺には名前だけやで?これだけはホンマに信じてや?」
「…うん。」
「せやから、もう謙也とあんま仲良くすんな」
「うん、難しいけど。」
「俺も女子と仲良くすんの、やめるから」
「…うん。」
結局許しちゃう私。惚れた弱みってやつなのかもしれない。
20110416
喧嘩からの仲直りネタという事でリクエスト頂きました。しかも更新頑張って下さいと応援のお言葉付きで…!感涙でございます(;ω;)これからもせっせと更新出来るよう、精一杯頑張ります。
リクエストありがとうございました。