なんなんだ、このウブウブな感じはァアアアア。



恋人として付き合いはじめた銀時と名前は二人で映画を観て、万事屋に向かっていた。
二人並んで歩いてるのだが、どうもその距離感が遠い。銀時と名前の間に人一人分のスペースがある。時々人とか自転車も通れてしまう。
え、何コレ付き合ってんの?と言葉を銀時は飲み込んだ。

ちらりと名前見れば、何か思い詰めた顔をしてるし。


ちょん、と名前の指先が銀時に触れた。本当に少しだけ。
名前は、すぐに手を引いた。



「ご、ごごご、ごめんなさい」



銀時は名前の手を半ば強引に握った。



「ごめんじゃない」


「…うん」



銀時の左手と名前の右手が繋がれて、影がひとつになった。

名前は嬉しそうに、銀時の左手を握りかえした。