全国のメガネ萌えの皆様、私は今アナタ達の気持ちが痛い程よくわかりました。

今までわからなくてごめんなさい。人はメガネ1つで変わるものなんだね……!


「レイナ、さっきから手が止まってるけどどうしたんだ?」

『い、いや…心の中で謝罪会見をちょっくら』

「そんなのいいから、早く解いてみろよー」


現在私はヨハン君に勉強を教えてもらっているのだけど、目の前にいるヨハン君のことがどうも気になって仕方がない。

今日ヨハン君はいつもはしないものを身に付けているのだ。
そう、男子の萌え要素の王道…メガネを。

ヨハン君に何故メガネをかけているのかと聞くと、
「ん?気分だよ!!」
と、いつもとは少し雰囲気の違う笑顔で言われたので不覚にも心臓を射抜かれてしまった。


「でも俺にメガネってやっぱり変だよなー…」


ヨハン君はそう言って縁に手をかけ、メガネを外そうとする。


『と、ととと取らないで!!』


私は思わずメガネを外そうとしていたヨハン君の手を握ってしまった。
せっかくの貴重なメガネ姿なのに外しちゃうなんて勿体無い!


「え?」

ヨハン君が少し首を傾げる。


『あああぁあゴメン!本当にゴメンなんかいきなり手とか握っちゃってゴメン!!』


そしてやめて!メガネ姿でそんな可愛い動作をしないで!!
普段でもそんなことされたら可愛くてしょうがないのにメガネ姿でそんなことしないでっ!!

私マジで死んじゃうかもしれないから!


「いや、いいんだけどさ…
今日のレイナはいつになく積極的だなぁと思って」

『っ!!そ、そんなこと……』

「あるよ。だってレイナが俺に触ってくるなんて初めてだったぜ?」


俺から触ることならいっぱいあるんだけどなー。
そう言ってヨハン君は私の頭にポン、と手を置いた。


(やーめーてー死ーんーじゃーうーかーらーっ!!!)


照れすぎた私は何も言えなくなり、できる事といえば顔を真っ赤にすることとノートに押し付けたシャーペンの芯を折ることくらいだ。

これだから天然で恥ずかしいことを言っちゃう人は困るんだよ…!!

『あっ、ああああのさぁ!!』

とにかく話題を変えよう!
このまま沈黙か恥ずかしいことを言われ続けたら私の心臓はガイザー並に止まってしまう。
もしくはガイザー以上。

ハハハ、みんな今度から私の事を心停止のガイザーと呼ぶがいいね、ハハハ!!

私の脳内はまさにカオス状態。そんなわけで出てくる内容も素っ頓狂な事柄であって。


『かっ…鎌倉幕府って、いつできたんだっけ!?』

「………今やってるのはデュエルに関してのことだよな?」

『いや、デュエルのことだけど大化改新ていつだっけ!?』


ヨハン君が「んー…」と言いながら困った顔をした。メガネをかけたままで。

重要だからもう一度言おうと思う。
メガネをかけたままで。