春。
つぼみだった花々がいっせいに咲き始め、綺麗な花畑を作っていた。
その花畑の中で一人、緑色の髪をした人が座っていた。
「ヨ〜ハ〜ン!」
「誰かと思ったらレイナか…」
「こんなとこで何しているの?」
「あぁ… 実はな…」
じゃーん!と、ヨハンは花々で作られたの冠を私に見せた。
「俺、レイナの為に作ったんだ。」
笑顔でそう言うヨハン。
その笑顔に私は何度、心を奪われたものか…
しかも、私の為に花の冠を作っていたなんて……
もう、可愛すぎ!!
あまりの可愛さに私はヨハンを抱きしめようとしたら、ヨハンが笑顔でまたこう言った。
「レイナ、被ってみてよ!」
ハイ。と自分で作った花の冠を渡すヨハン。
私はヨハンに言われたまま、花の冠を被った。
「レイナは何を被っても似合うなぁ。」
流石は俺の彼女だぜ!と満面の笑みを見せるヨハン。
……ヨハンの彼女。
その言葉を聞いて、思わず恥ずかしくなった私。
多分、表情にも出ていたのだろう。ヨハンも顔が赤くなっていた。
「…ヨハン。顔、赤いよ。」
「レイナだって…」
そう言った後、しばらく私たちは無言状態が続いた。
ただただ、風の吹く音だけが響いていた。
そんな中、突然ヨハンが私に飛びついて来た。
突然だったので私はそのまま倒れてしまった。
「大丈夫か?レイナ。」
…大丈夫か?って、倒したのはそっちじゃん。
「怪我してないか?」
そして、過保護し過ぎでしょ!?
「大丈夫。私何ともないから!」
「ちょっとビックリしただけ…」
「なら良かった…」
ホッと胸をなで下ろすヨハン。
そしてヨハンは私の隣に横たわった。
「俺さ、夢だったんだ。」
「?」
「レイナと一緒になって横たわるの。」
「そして、レイナを俺が独り占めするの。」
そう言ってヨハンは、私の真横という距離まで近づいて来た。
花畑の甘い香り。
花のいい匂いが私たちの甘い恋を包みこむ。
「ヨハン。いい匂いする…」
「そりゃあ、ここ、花畑だからな。」
「いや、そうじゃなくて…」
「俺は花の匂いよりレイナの方が好きだ。」
そう言って、ヨハンが私にキスをする…
--END--
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