こっちに来てから一週間。イタリア語で話す分には、なんの不自由もなかったけど姉様が、教えて…あ・げ・るvと言ってくれたから素直に従った。
「じゃあ兄様のファミリーネームのSqualoも“アホ鮫”て意味?」
「そういうことになるわねんvVさすが緋彗、物覚えいいわ〜v」
「じゃさ、ヴァリアーの皆を海洋生物に例えたらと何になるの?」
姉様が答えようとした時、リビングのドアが開いた。
ドゴッ
「おごぼっ!!
な…何すんのよ…いきなり!」
「ゔお゙ぉい!誰がアホな鮫だ!!緋彗に間違え教えんじゃねぇ!スクアーロは“鮫”って意味だけだぁ!!てめぇおろすぞ!」
姉様の鳩尾を兄様は長い足で蹴った。てゆか、おごぼっ!!て野太いな…。
「あんらv私ったらピュアな言動にも程がある!私はピュアで美しい人魚だと思うのvV」
「じゃあ僕はクジラみたいにでっかくなりたい!!」
そう言うと兄様や姉様は可哀相な目で僕を見た。オイちょっと傷付くんだけど、ねぇ。
「ムチャ言うなってチビッ子緋彗。お前はクマノミ。ほらイソギンチャクに隠れてるヤツ。オカマもオカマで、それ言うならジュゴンだろ?」
兄様の後からやってきたベルの一言でレビィが吹く。ちょっ、汚っ!唾飛んだ!!
「んまぁ!失礼しちゃうわ!!」
「僕がチビだって言いたいのか!このクラゲ!!」
「そうよ緋彗の言う通り!!ベルちゃんなんてクラゲみたいじゃないのよ!その髪型と雰囲気っ!!」
「嫌じゃないぜ?クラゲ。チクッと刺せるしな。しししし♪」
だいたい緋彗なんて、ヴァリアーで1番ちっせーのにクジラとかムリムリ。と言うベルにかなり殺意が湧いた。
「ふむ…するとオレは海を自由に泳ぎ回るイルカってとこだな。」
『それはない。』
だってイルカは頭いいもん可愛いもん。それにレビィみたいに臭くないし上司と部下の禁断ラブコメってないもん。
「レビィはイルカっていうより、怖い顔した深海魚だよね。」
「Niceマモちゃん!コイツってばリュウグウノツカイに似てる!!」
「そんなマニアックなのは知らないよ。」
「砂と同化して隠れる魚にも似てるぜ?あの変なキモい奴な。」
「…イルカがいい…。」
「うっせ!深海魚顔した奴に我が儘言われても、整形しろ!としか言いようがないんだよ!!」
「イ、イールーカーがーいぃいー(泣)」
顔をグシャグシャにして泣き出すレビィ。あ、余計に深海魚顔だ。
「あら、レビィったらかわいい♪」
『どこが。』
「まぁまぁ、せめて深海魚みたいなイルカにしてあげましょうよ!キモイルカ決定v」
「どんなイルカだぁ!」
現時点では
兄様…鮫
姉様…ジュg…マーメイド
僕…クマノミやだクジラがいい
レビィ…リュウグウノツカイ又はキモイルカ
「じゃマモちゃんは?」
「マーモンはコダコじゃね?」
「どうでもいいよ。それより鮫がスクアーロだとすると、ボスはどんな海の生物だと思う?」
ふん。と鼻を鳴らしてからマモちゃんが言った。
「そりゃあボスは最強だもの、海の神ポセイドンよ♪」
「てめえ神話キャラばかりじゃねぇか!!反則だぁ!」
「そうだよ!僕がクマノミなんて雑魚キャラなのにパパンだけが最強キャラとか有り得ない!!アイツってばツインテールヲタクだよ!?」
そう反論すると兄様の頭に椅子が投げられた。
ドキャッ
「いてぇ!!誰だぁ!?」
「ボスだよ。椅子を投げたってことはそろそろ空腹なんだ。」
「なんて暴力的な赤ん坊なんだ。今時DVだなんて兄様しか喜ばないよ。」
「喜んでねぇ!!」
「わかったわ!ボスは私達お魚を暴力で調理する板前さんってどお?キレイにまとまってない?」
「まとまってねーし人間じゃん。」
「だからアイツはただのヲタクなんだって!アキバに通いつめてんの!!」
「だから人間だろ?」
ルッスーリア三丁目
その日の夕飯はお寿司だった。 ←→ page: