「花見しねェ?」
珍しく人と馴れ合わない神田が群れに入りって喋ったから何事かと思った。
『は?』
「いやだから花見。緋彗は日本人だからわかんだろ花見。見てェんだよ桜。日本の象徴、侍の心なんだよ。」
「聞いたこともねェよ。」
確かに私は日本人だけどお前アレだよ。ほら、日本ってばこの間まで伯爵の聖地だったじゃん?そんとき見たけど日本に住んでたわけじゃないからあんま見たことないし。
「ていうか桜って春の花なんしょ?季節過ぎてねェ?」
「つかなんで今日なんかそんなに絡んでくるんですか?」
いつもなら、うるせェ。黙れ。死ね。の三点張りなのに。と心配そうにして言うラビと(もちろん見せかけな)アレン
「死ねは最近言ってねェよ。くたばれ。っつっただけだ。」
意味変わんないよ。ってか余計酷ぇや\(^O^)/
「つか季節とかどーでもいいんだよ!見たいときに見たっていいだろーが!!」
見たいものが存在しなきゃたちまち意味ねェだろーが。
「ぶっちゃけた話、下衆なモヤシを木に上って見下してェ。」
ぶっちゃけすぎ!!!
はっ。と鼻で嘲笑おうとしたとき(いつものお返しだからいいの!)じゃあ作っちゃえば?と腹立つ室長のすっ惚けた声。こいつが絡むとめんどくさいことが余計怠くなるので苦手だ。
「だからさぁ、桜作ればいいじゃんさ!ここにいる女の子誰だと思ってんの!?イノセンスが筆のエクソシストだよ!?」
何故そんなに必死になるかと聞けば自分が見たかっただけらしい。身勝手だよコイツ。
ちなみに筆のイノセンスの適合者は私だ。描いたものに命を吹き込むことも出来るし、筆が大きくなれば接近戦でも使える。苦手だからあんましないけど。
「アレすごく疲れるんだけども…ねぇ、ちょ…みんな?」
そんな言葉はすでに聞こえていなかった。
「とりあえず原因の神田は木から落ちてしまえ。」
廊下を歩きながら濡れた髪を手で梳く。まだ髪がギシギシすんな…そこら辺ブラシで梳けばなんとかなっかね。
「お、緋彗!さっきアレンの前でペンキ被ってたけどなんかあったんか?」
私を見つけると隣にきて歩調を合わせるラビ。黒い七分には目立つ水色。いや…黒いからさ…。と答えれば伝わったようで、呆れたような困ったような笑い声。
「あ、そだ。アレンが探してたぜ?桜描け。っつってた。」
「まことか!!」
「おう。
ってか誰だよ。まぁオレとしてはダッシュをオススメするさぁ。」
ケラケラ笑う彼奴がものすごく憎たらしく思った。お前なんて酔い潰れて二日酔いに困ればいいんだブォケ。 ←→ page: