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「チッ。」




暗い教団の廊下に歩く音が響く。こんな日に限ってコムイの奴が任務を入れるもんだからイライラする。
憂さ晴らしにアクマを一気に殺ったら思いの外早く終わった。




「?」




食堂はまだ明るかった。待てよ?暗い割にうるせェ。




「あひゃひゃひゃひゃ!へろへろすりゅぞぉコレェ〜!!」




酒と甘い匂い…緋彗の声。誰かが、一気!一気!と囃し立てていた。




「なにやってんだよ。」



「はれぇ?ポニテ〜なんれいんだよぉ〜?なんれ今日は帰るのはやいんだよぉ〜?」




ドンドンと俺の胸を叩く緋彗。いや力が入ってないからポスポスか?つか誰だコイツに酒飲ました奴。



見回しても、逃げたのか誰もいない。




「帰ってきちゃあ悪ィことあんのかよ。」




俺の団服にクリームみたいな白いので手形がとられる。洗わなきゃいけねェじゃねェか。




「んーんー、違うんだよぉ〜…違うの。


ちょっと…淋しかったの…。」



「へ?」




俺が聞き直したら、いきなりクタッと緋彗から力が抜けた。




「クソ…


あんなこと言って寝るなよ…。」




片手で緋彗を抱えて、片手で口を覆った。




たしかに声は淋しげでした。


(あー…ユー任務おかえんなさーい…アンドおはよー…。

これプレゼントね、傷薬。昨日なんか特別な日だったんだってさー。)
(アホか、自分の誕生日くらい覚えとけ。)
(…あ。)


それはプレゼントだけじゃ埋められないの。
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