4/6 「こ、これを…食せという…のか…!!」




お昼時、かわいいかわいい童顔の同級生…兼幼なじみのサソリちゃんの家にお腹が好いたのでいったら(オカンはパート)(私はテストで午前のみ)真っ赤なブツを出された。




「なに大袈裟に言ってんだテメェ。食えよ。食わねェとこじ開けて突っ込むぞ。」



「もはや強制か貴様!私がナポリタン嫌いなの知ってるだろうがボーケ!!」



「ほぉー…一丁、鼻の穴からいってみっか緋彗。」




楽しいLunchがなんの拷問になってんだコレ。


ちょっとサソリちゃんが言うと笑えないから、嘘です嘘嘘、嘘に決まってんじゃん。嘘だよ嘘!って言ったらウゼェの一言。ウン知ってる、私の切っても切れない性格だからね。
ぐすん。





「つか緋彗、お前ホント何しに来たんだ。テストあと5教科残ってんだぞ?昼メシ食いに来ただけだったら冗談抜きで鼻に突っ込むからな。」



「だからサソリちゃんが言うとシャレになんないって。」



「だから冗談抜きでっつってんじゃねェか。」




はいはいはいはい。私だってそこまで空気読め女じゃあないさ、馬鹿じゃない?と鼻で笑ったらグリグリやられたっ!痛って!ありえね…っ、よく野原しんのすけは堪えたってホント!!




「テスト勉強を見てほしいの巻。」



「まずはそのふざけた口調治してから来いや。そして還れ。」




てゆかグリグリをやられ始めたのって小四からだからそろそろ慣れてもいいはず。いや慣れたくないけど。




「冷たいサソリちゃん!!なんだよぅ!一緒に釜飯に入った仲じゃんか!」



「どんな仲だ…!!一緒の釜飯食った仲とかにしろバカ緋彗。」



「いやぁ一緒のお風呂に入った仲じゃんとどっちがいいかって考えてたら交ざった。」




はっはっはぁー!と笑いながら頭をかいてたら、奴は顔を反らして溜め息をついた。ちょっと、やめなさいよ本人目の前にして溜め息つくの。明らかめんどくせーなって溜め息じゃんか。




「もう昔の過ちは忘れなよウン、私もなかったことにしておいてあげるから。サソリちゃんが租チンだったこととか思春期に入ったときにお風呂一緒に入ったら欲情しだしたこととか。」



「てめ…っ!」



「あらいやだ、かわいいな!照れてるサソリちゃんかわいいっ!!ちょう怖くない!って言うのは嘘だよゴメンて。」




彼の怖い怖い目に睨まれて背筋が凍った。平然に謝ってるけど、膝は有り得ないほど笑ってる。それほどに彼の視線は殺人的。その言葉通りの意味でね。




「!
のぁっ!」




彼の二本の腕がこっちに向かって来ちゃうから、真剣にコレまじぃんじゃないかな。って身構えると目の前が真っ暗になった。顔をあげようとしたら余計に胸板に押し付けられる。窒息させたいほど疲れたか私に。ってか私の驚く声酷いな。




「さ、ソリちゃん…?」



「サソリちゃんってのやめろ。あとかわいいとか言うな。」



「すいません赤砂さんもう言わないです。でもホントのことです。」



「なんで苗字になんだ。」




はぁ…。という溜め息が耳にかかってビクッとすると、彼の掠れた声が耳元に近付いて囁く。




「すきな奴にかわいいとか言われることほど切ないことはねーよ。」




Actualy

(やだサソリちゃん、アンタすきな子にかわいいって言われちゃったの!?)
(お ま え の こ と だ ろ う が … !!)
(へぇー…


へ?え?え?意外過ぎてなんも言えないんだけど。諦めなくてよかったね私!!)

実際には俗に言う、両想いって奴だった。



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