ぼくときみと、2人きり、みたい。



「なにそれ超ガチじゃん。」

「朝競泳用ですが何か。2キロ泳いできたって言ったじゃん。」

「水泳の帽子までつけんの?授業なのに?みんなつけてないけど。」

「髪泳ぐのに邪魔。」

「なにそれ超ガチじゃん。」


 ぺちゃくちゃ喋りながらもプールまでやっと辿り着いたオレ達は靴と靴下を脱いで足を消毒液に漬けてからプールサイドに上がる。何人かはもうすでに着替え終わっていて、更にそれとは別に制服を来た女子生徒たちが見学用の日陰のベンチに固まって座っていた。どうせプールが嫌で体調不良とか言う女の子だけが持つ特別免除ルールでも乱用してるんだろう。ずりい。
 一方、水泳をサボろうなんてちっとも考えてないなまえちゃんは急いで女子更衣室へと駆け込んで、数分もしないうちに出てきた。早え。サボるときは潔く衛生室でっていうのがなまえちゃんのポリシーらしい。どうせ出ないんだったら寝た方がいいじゃんって、この間、マラソンの授業で確かそう言ってた。


「はいじゃあ隣の人と相棒(バディ)組んでー。番号!」


 うちの学年の体育主任教員が掛け声をあげると、前と右側から1から順に番号が聞こえる。もう、小学生じゃないんだから高が授業と言えど水泳はごちゃまぜになって泳がないのだ。男子は5レーンあるうちの先生たちから見て右側2レーン、真ん中を1本空けて残りの2レーンで女子が泳ぐ。思春期の始まりだしたオレ達への配慮なんだろうけど、だったら中途半端に分けるよりも完全に別の授業にしてくれればいいのに。体型が変わってないときでも意識するときはするんだから、今更もう、いたらそりゃ見るに決まってる。
 学校の方針でオレ達男衆は普通の海パンで、向かいのプールサイドで並ぶ女の子達はみんなぴったりとした黒か紺の余計な装飾のないワンピース型水着だった。まあ大概スク水ってやつ。たぶん、前のベンチで座ってる女子生徒の、何人かは水泳自体が苦手なんだろうけど、何人かはそれを着たくないがために見学してるんだと思う。さらに言えば、そういう子の半数は少しませた女の子。こっちの列の真ん中の方で、(くが)今日見学かよ…。と落ち込む声が聞こえた。大概の男子がこのクソ暑い日にプールで泳げるとはしゃぐ中、少数のやつらが女の子をチラチラと見ては声を潜めて好き勝手に評価をしている。気持ちはわからんでもないけど、そういう目で見るから休むんだろうなあ。
 陸さんは少し長めの髪を耳の後ろで2つくくりにした女の子だ。肌は地黒なのか、なまえちゃんと比べるとそこそこ浅黒く、骨格がそもそも細くて華奢な女の子らしい女の子。睫毛は全体的にオレの目尻と同じくらい長く少しキツい印象を受けるが、実はそうでもなくて男女分け隔てなく接している。現に沖さんについでなまえちゃんの女友達2号の称号を得ているし。何かと騒がしい人ではあるけれど、可愛らしい顔に似合わない落ち着いた声とあまり良くない言葉遣い、それからあっさりとした物言いがなまえちゃんと合っているようだった。


「オレ、沖かな。普通にかわいい。」

「2人とも黄瀬と仲良いヤツじゃん。いいよなあ、イケメンって。」

「(うわ、でたでた。僻みだ。)」


 こういうときは授業を真剣に受けてる風に見せた方が都合がいい。おい黄瀬気にすんなよ。と最近喉の調子がおかしいらしいサエちゃん(最近オレもそう呼ぶようにしたのだ)が少しガラガラした声で心配してきた。大したことじゃねーよ。と返せば、そだな。とサエちゃんは、ふはっと吹き出す。
 覗き見るようにこっそりこちらを伺うクラスメイトには気付かないふりをして、プールの1番前、プールサイドよりも1段高くなっている飛込み台をじっと見た。みんなよりも少し肌の面積の多い競泳用の水着を纏ったなまえちゃんが先生の操り人形みたいに手を取られ、見本と化している。たぶん、背の順じゃ1番前だからだろう。男子の方からも1人、松井くんという背の小さな子が前に出ていた。


「おいちょっと見ろよ、ほら。」

「もう見てる。栗田すげーよな。」


 一体何がすごいのかとそちらを見ると胸の前で掌を広げて、デカい。と一言。ゲスだ。セーターぶかぶかだったからもっと太ってると思ってたなどと先生にバレないようにケラケラ笑っていて、少し胸の内が靄ついた。オレだってそんなになまえちゃんのことを知らないけれど、別になまえちゃんがどれだけ頑張ってきたかなんて知らないけれど、彼女が体操のために洗練してきた体躯が下心のある目で見られるというのはいい気がしない。おめーらに見てもらうためにああなったんじゃないっての。


「この様に、腕で耳を挟むようにして着水します。この姿勢が出来ていれば自然と顎を引いた流線型なります。逆にちゃんと耳を挟んでいないと顎が上がって腹打ちしてしまいます。指先から、頭、腰、足の指先の順番で水に入ることを意識しましょう。水飛沫を上げない飛び込みは水の抵抗を受けにくいので足も広げないように気をつけること。」


 呆れて、見本になってるなまえちゃんに視線を戻したら、デカいってさっきの言葉が頭の中で反響して聞かなきゃよかったと額を押さえる。クソ、姉ちゃん2人もいて今更何意識してんだ、本当に。当の本人は、先生の為すがまま、両腕をあげて蹴伸びの姿勢を取っていて、自然と胸を突き出す格好になっている。普通のものよりも肌色の割合の多い競泳用の水着で。
 どうやら飛び込みの練習らしいのだが、何分なまえちゃん自身下世話なことに無頓着でそもそもの気質が真面目だから、授業の最中、自分がしょうもない話のネタにされているなんてこれっぽっちも気付かないんだろう。
 じゃあ見本の子達からまずやってみましょう。と先生はそう言ってから前の2人に一言二言何かを訪ねていた。なまえちゃんが首を縦に振り、松井くんが横に振る。どうやら飛び込みをやったことがあるか、できるかを尋ねたらしい。じゃあ、松井くんはプールの中から飛び込む方の見本を、栗田さんには普通の飛び込みの見本をしてもらいます。と松井くんをプールの底に沈んだ台の上に、なまえちゃんをスタート台の上に立たせた。なまえちゃんは普段のへらへらした顔を少しだけ強張らせてゴーグルを装着する。


「位置について。」


 松井くんがぎこちなく足元に手を伸ばすのに対して、なまえちゃんは静かに手を爪先の先の、スタート台の淵に当てた。
 パン、という先生の拍手の音と同時に2人は水面に向かう。なまえちゃんのフォームはお手本としては申し分のないもので、しなやかに水面を切り裂いていく姿がオレにはどうにもスローモーションになって見える。
 指先から頭、腰へと着水していき、残るは足だけとなったところで、バチン、と大きな水飛沫が上がって目の前がプールの青から真っ白に変わった。女子の方から、きれーい!と歓声が上がる中、男子から、冷てっ!とか、おいふざけんな松井!とか、果ては、へたくそ!とか言う罵声が上がる。紺色の影が向こう側の水中でパシャリと回転して戻ってくるのに対して、松井くんはゲホゲホと噎せながら浮上した。誰かが女子でもできるのにと言うとみんながくすくす笑い、先生が水の中を掻き分けて松井くんの背中をさすって声をかける。


「松井くん、大丈夫?腹打ちしてたけど、痛くない?水飲んだ?」

「だ、だいじょうぶで…おええっ、」

「げぇっ、吐いた!」


 プール側面にある排水溝での突然嘔吐に男女から悲鳴が上がった。運動の苦手であろう彼に、水中からとは言え飛び込みはキツかったんだろうなあ。腹打ちして、吃驚したのと痛いのとで水をたくさん飲んでしまったみたいだった。先生が、落ち着くまで動かなくていいからね。と声をかける。


「このクラスの保健委員は誰?」

「高原さんは今日休みです。」

「日直は?」

「栗田さんです。」


 紺色がタッチ台に触れてから水面に顔を出した。肩で息をしているところを見ると、25メートルきっちり呼吸なしの蹴伸びで行ってクイックターンして、さらに25メートルを無呼吸で帰って来たようだ。化物かアンタ。なまえちゃんが咳を1つしてからプールサイドに手をついて上がろうとすると先生が引き止めた。一切の事情を見ていない彼女は、また何か見本ですか?と、ほんの少しだけ、よく見ていないとわからないくらいに眉に皺を寄せる。


「松井くん、具合悪いから見てあげてくれる?あんまりにもひどいようなら衛生室に連れてってあげて。」

「まつい?…ああ、はい。」


 すぐに理解したらしいなまえちゃんは水中に戻ってコースロープを一掻きで潜っていった。なまえちゃんの反応を見て、大丈夫だろうと判断したらしい先生が、じゃあみんなやってみよう。と授業を再開する。なまえちゃんは、ここは邪魔だからとりあえず上がろう。と松井くんの背中に手を添えた。


「吐いたの?」

「う"ん…。」

「気持ち悪い?」

「ちょっど。」

「水飲んだ?」

「う"ん。」

「ふぅん、空気も一緒に吸っちゃったんかなあ。水道のとこ行こう。吐かなくても大丈夫だけど、全部吐いた方が楽になるし、ゲップしても楽になるよ。」


 ごめんねと謝る松井くんに、大丈夫、わたしもよくなるよ。地味に辛いよねえ。どんまい。となまえちゃんがきょとんとした顔で答えながらプールの出入り口の方に彼を連れて行く。


「すっげー、栗田。普通、ゲロした直後のヤツの側、あんなすぐ行ける?」

「オレ無理。てかこの距離でももらいゲロしそうだったし。勘弁しろよなあのメガネ。まだ排水溝にやっただけ許してやるけどさあ。」


 オレの少し前にいた2人はそう言いながら、飛び込みが怖くない人と怖い人とに分かれて2列ずつ並んで行く。ベラベラと喋っていたクラスメイトも、オレもサエちゃんも飛び込める方だ。順々に先生の手を借りつつも見よう見まねで飛び込んでいく。まあ、端っからうまくいくわけもなく、大概の子が痛々しい音を立てて水の中に沈んでいった。
 さっきのことなんかなかったみたいに列に並んで待っている間、みんな前の人の飛び込みを覗き込む。オレはそれをみんなよりも高い位置で眺めながら、プールサイドを小走りするなまえちゃんに目を向けた。なまえちゃんは自分のプールバックからバスタオルを取り出すと、見学のできる影のあるとこと日向の境目のところにタオルを敷く。それから松井くんを手招きすると、顔だけ影に入るよう寝かせたのである。


「横向きになって、下の腕を頭の下に入れて。そう。ゆっくりしてていいから。」

「えっ、あの、タオル…。」

「いいよいいよ、別になんとでもなる。」

「(よくやるよ、ホント。)」


 特に大して仲良かったわけでもないのに、タオルとか。地べたで寝たってそう変わんないのに。つーか、プール終わったらビショビショのまま制服着るつもりかよ。


「(…このお人好しバカ。)」


 オレの番になって、なまえちゃんから視線を水面へと移した。ちゃんとした水泳の飛び込みなんてやったことないけど、たぶん大丈夫。なまえちゃんの飛び込みは綺麗だったけど、並の範囲だ。頭にフォームとタイミングとそれから力の入れ具合を思い浮かべて、体の動きをそれに合わせればいいだけ。彼女の体操みたいに、見よう見まねができないレベルじゃない。
 足の小指から親指までをしっかりスタート台の端っこに引っ掛けて腰を曲げる。先生の掛け声とともに水面目掛けてスタート台を蹴る。頭をしっかり腕の下に抑え込んで、指先を揃える。おおっ、とか、フォームきれい、とかいう歓声が少しだけ聞こえて、なんでこんなのみんなできないんだろってキラキラ光る自分の前髪の隙間から気付いたら横目でプールサイドに目を向けていた。なまえちゃんはまだ彼を気にかけているようで、プールサイドを歩きながらベンチの方へ顔を向けている。別に、期待してたとか、かっこいいところを見せたかったとかいうわけじゃない。そんな、ちゃんとした理由なんかなくて、なんとなくに近くて、なんとなく、見てないかなって……思ってたんだけどなあ。


「(溺れたフリでもしよっかな。)」


 ドボン、と、思っていたよりも汚い音が水の中で鈍く響いた。オレの予定では、もう少し静かな音になる予定だったんだけど、どうも直前で足がバラけたっぽい。スタート台を蹴るまではいい感じに集中してたのに最後の最後で切れてしまったらしい。明らかに余計なことを考えたせいだ。
 各個人3回ずつ飛び込みを終えると、男女混ざってプールサイドに座らされた。どうやら今日のまとめに入るらしい。それが終われば10分ほどプールで自由に遊べるから、みんなちょっとだけ騒がしい。


「りょうた、」


 この声はなまえちゃんかなあ。と名前を呼ばれて振り向くと予想通り隣に体育座りをするなまえちゃんがいた。いつもの呼び方じゃないけれど、あの、まあるい呼び方は彼女くらいなものだからわかりやすい。彼女は話をしている先生の視線を気にしながら、りょたの1番最初の飛び込み、最後足離れてたね。と小さな声で伝えてきた。


「最後のやつはすっごく綺麗だったけど。」

「え。」

「え?」

「最初のって、最初の?」

「最初は最初でしょ。気付いてなかったの?珍しい。」

「いや、そうじゃないんだけど、」


 じゃあなに?と首を傾げるなまえちゃんから目を背けて頬を掻く。見ててくれたんだ、なんて、子供っぽ過ぎて恥ずかしくって言えなかった。耳が熱い。オレが目をそらしたままでいると、いつも1回見たらそっくりそのままできちゃうのにね。どっか調子悪いの?お腹冷えた?となまえちゃんはオレの顔を覗き込んだ。ぎょっとして仰け反る。


「ちょ、見んなって。べっつに調子悪くねーよ。」

「あっそう。」


 少し呆れた顔をしたなまえちゃんがオレの首筋に手をあててきたので、思わずビクリと肩が跳ねた。そんなオレの気なんか知らない彼女は、でもちょっと脈拍速いね。帰りどうせ衛生室ん前通るし行ってきたら?なんて、いつもは見せない神妙な面持ちで言うもんだから、余計に心臓が揺れて、とっさになまえちゃんの手首を掴んで素早く離した。一体、誰のせいだと思ってんだ。
 気付いたらオレは、胸の中のざわつきをごまかすみたいになまえちゃんを抱きかかえてプールへと投げ飛ばしていた。ひぇっ!と、声になりきれていない悲鳴をあげたなまえが、ドボンと大きな音と飛沫を立てて、プールの真ん中の、水底へと落っこちる。
 えっ、なになに?と周りが少し騒いでなまえちゃんの描いた放物線を視線で遡り、先生は、黄瀬くん、確かに自由に遊んでいいよとは言ったけど、と口をへの字に曲げていた。オレが慌てて、うわ、ちが、ごめん!と水面に顔を寄せると、「黄瀬くんだ。」「栗田さん、黄瀬くんに何したんだろ。」「遊び?」「でも栗田さん叫んでたよ。」と憶測を飛び交わしては口々に呟く。
 彼女は微妙に勘がいいから、なんでオレが動揺してるのか伝わってしまうかもしれない。そう思ったら、ちょっぴり怖くなった。なんで動揺したのかなんてオレにだってわからないけれど、とにかく今はどうしても隠しておかなきゃいけないような気がしたのだ。だからって投げるのはどうなんだろうとは自分でも思うけど。咄嗟のこと過ぎて、何も考えてなかった。
 先生が、あー、じゃあ、はい、残りは自由時間で!飛び込みはしちゃダメよー。と口にした瞬間、みんながザブザブとプールの中に入っていく。オレもそれに続いて、なまえちゃんの捜索に出た。普通だったら、水に落ちた瞬間に立ち上がるもんだけど彼女は未だに水から顔を出していない。なまえちゃんに限って溺れてる、なんてことはないと思うけれど、投げた手前、そこまで気楽に考えることはできなかった。それに、なまえちゃんが落ちた位置まで来てわかったことだけど、真ん中の方は結構深くてオレですら胸まで水位がある。これじゃ、なまえちゃんが立ち上がっても完全に沈んだままだ。


「(マジで溺れたんかな、)」


 本格的に焦り始めた瞬間、背後で水が打たれる音がした。気付いたときには既に首に手が回されていて、誰かが密着するのを感じる。背中にあたる柔らかいものにどぎまぎして、自分でも気付かないうちに油断していたらしい。振り向こうとしているうちに腰を思い切り足で押されたオレは、バランスを崩して肩から水の中へと沈んだ。オレを水中に引き摺り込んだのは、やっぱりなまえちゃんだった。まあわかってたけどね。こんなヘッドロックかましてくるの1人しかいねーし。
 ぼやけた視界の中で、ゴーグルを水着の肩紐にかけたままのなまえちゃんが、コポコポと泡を吐きながら笑う。してやったり、とでも思っているんだろう。


「(そういうとこも、すきなんだよなあ。)」


 気付いたら、なまえちゃんの耳の前でゆらゆらと漂っていた後毛に手を伸ばそうとしていて、はたと手を止める。ザバッとプールの底に足をついて立ちあがると、不思議に思ったらしいなまえちゃんが、そろりと水面から、どうしたの?と言いたげな顔を出した。


「…なんでもないよ。」

「よくわかったね。わたし何にも言ってないのに。」

「なまえちゃん、結構顔に出てるから、そういうの。」

「髪になんかついてた?」

「え?あー…うん、まあ。すぐにどっか飛んでったけど。」

「そうなんだ、よかった。ありがとう。屋外プールってそういうとこ嫌なんだよなあ。」


 あー、変なこと思い出した。百足とかじゃなくてよかったあ。あー、あがろ。あー。と変に唸るなまえちゃんがそそくさとプールサイドに上がって、ぶるりと震える。少し的外れだ受け答えにホッと胸を撫で下ろした。
 てか、虫とか苦手なんだ、意外だ。ちょっとした悪戯心が湧いたオレは腕を伸ばしてなまえちゃんの背中を人差し指でツーッとなぞってみる。なまえちゃんがまた震えた。加えて、あ、百足。という言葉を付け足してみたところ、意外や意外、なまえちゃんが、いやああっ!といつものローテンション具合からは想像できないくらい大袈裟に叫ぶではないか。なにこれ、ちょー笑える。取って取って!助けて!ヘルプ!などと喚くなまえちゃんは相当レアだ。こういうのこそ嘘でも平静を繕って、なにやってんの?驚くとでも?ばかめ。とかって冷めた視線を送るタイプだと思ってた。
 鳥肌を立てて、少し泣きそうになってる姿は流石に可哀想だったから、ウソウソ!冗談だって!とプールサイドに手をつくと、ドッと胸に衝撃が走って、オレは再びプールの中へ沈んだ。えっ、どゆこと。


「っざけんなテメェコラ!次やったら撃ち殺すぞ糞ナス!」


 どうやらオレは彼女に足でどつかれたらしい。




なまえちゃんは特にお口がよろしいわけではない。
title by 金星
20150108
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