「藤、」

「………なに。」


いつも通り隣に寝転んでるなまえに呼ばれて後ろに振り向く。今、俺はいつものように腕でで頭をささえてジャンプを読んでいて、結構いいところだったのだ。つまり俺はすごく忙しい。だから嫌々目をなまえに向けて口を開いた。ホントは返事だってしたくない。だって暇じゃないんだ俺だってさ(漫画読むのに忙しいんだ)


「やべえわ。」

「なにがだ。」

「ちょうやばい。」

「主語言えって。」


あまりにも要領が得なくって、しかも俺がわざわざ漫画を中断して聞いてるというのにあいつはゲームをしたまんまなのが面白くない。
続けて、何がっつってんだろ。と横顔を見ればチラとこちらを見て、Nがやべえ。と一言。にやけるのを堪えた唇が厭に気になる。
Nと言えば理系が得意な俺の中じゃ、自然数とか数列の項数とかしか思い出せない。だけど、なまえは数学なんざ知ったこっちゃねえと豪語する奴で、数学に対する興味があるかとは聞けば、皆無に等しいだろう。
だから、余計になまえの言うNが気になる。なんだ、アレか、妄想の産物か。


「Nがちょうやばい。」

「だからそのNがなんなんだ。ああ、やばいっておまえの頭?なら納得だわ。」

「間違った答えで自己解決すんな。」


へへ、ゲームの話に決まっておろう!と顔を綻ばせてから枕に顔を埋めて発狂した。確かにやべえ、こいつ。


「で、なんのゲームだよ。早く言えって、今日体育しかサボれない予定だからさ。」

「藤さん藤さんポケモンだよ知らないの。チェレンくんもすごいツボすぎてさぁ!」

「……へえ、あっそ、よかったな。じゃあはい、どうぞ続ければ美作さん。」

「扱いぞんざい!まぁ言われなくとも続けるがな。」


いやしかし、キミのポケモンがキミをスキって言ってたんだ。とかこれ告白とうけとっていいかなぁ?いいよね?いいよ!とか、終わりの方を至福そうな顔で呟くなまえを見て引いた。美作もそうだけどさ、さすが双子。発言が気持ち悪いです。
つかそのソフト発売されたのって三日前じゃなかったっけ?どんだけやりこんでたんだおまえ。


「きっとNもさぞかしモテたのだろう。だからサラッとイケメンワードが出るんだ。

…しねふじ!」

「何故俺。」


それはそうと、イケメンじゃないって一年間で一体どれだけ言ったんだろうか。
自覚しろよイケメン。なんて嫉妬の目を向けられるとなんかもう、言い返す気がなくなる。もうその件は諦めた。やっぱいいよもう、めんどくせえもん。と返す。まぁなまえにそう見られてるっていうのは、そう悪くない。


「あぁそう?

あーそれにしてももうすごいNいい。めちゃめちゃ発言中二だけど許すわ。許さざるを得ないわ。どうしよう藤。」

「どうでもいい、とりあえず死んどけば。」

「うん死なないよね。
あーもう結婚してえ!抱いてくれN!」

「は、いやおまえそれは…!!」



自然数nの悲劇

(なぁ、)
(なに?)
(…女がすぐ結婚しようとか抱いてくれとか、言うなよな。)
(冗談に決まってんじゃん。Nには妄想でしか抱いてもらえな、)
(NNうるさいっての。さすがに抱いてくれ!は例え相手がゲームでも心臓に悪ィ。)


何のために俺がわざわざ山蔵に頭下げたんだか。と溜息をついたら、なまえがケラケラ笑って腰に抱きつくから何も言えなくなった。






夜のテンションで書き上げたのでなんか書いてるうちにわけわかんなくなった。
とりあえず原作沿い連載+1で番外。付き合っちゃった後設定藤くん嫉妬の巻な感じでよろしこしたいけどなんだったんだろうね
20100922
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