「とりあえずこのまま花火見てけとよ。」 「はぁい。」 高杉くんが連絡をとったところ、人が多くて迷子にすぐなってしまいそうなのと、もうすぐ花火が始まってしまうということで、終わってから合流という全くもって集まった意味がなくなる結果に終わった。 どうやら瞬くんもご両親とは迷子になったときは終わるのを待ってから会おうと約束していたらしい、どんな親子ですかね。 「わ…っ、すごい人込み…!!瞬くん、先生の手は離しちゃダメだよ?」 「うん!」 「睡、テメーも俺の手離すんじゃねェぞ。さっきみたいなのはごめんだ。」 「す、すいません…。」 さっきというのはまた子ちゃんが絡まれた私を助けたという話を武市くんから高杉くんが話を聞いたのと、また子ちゃん達とはぐれてから高杉くんが二人に連絡をとっていた途中にまた私が怖い人にいろいろ言われたヤツです(今回は高杉くんがすぐに気付いてくれたので助かりました!)(一睨みで相手をビビらせてたです!すごいなぁ) 「うぉー!しんすけにいちゃんすげー!」 「暴れんなバカ。」 誰かたくさんの女性の声が高杉くんを噂する。全部褒め言葉で私が羨ましいだの吊り合ってないだのというものも多かった。 それが聞こえたからかはわからないけど、離れんなよ。と私は引き寄せられて、瞬くんは高杉くんが肩車。お、お父さんみたい…。 「おー、ここらへんならよく見えんだろ。」 「あ、ホントですね!座りましょう?私レジャーシート持ってきたんですよ!」 「せんせえ準備いーなっ!」 「ほんと?ありがと瞬くん!」 ニッコニッコ笑ってレジャーシートをひけば高杉くんに、テメー顔に出すぎだろう。と笑われた。だって褒められると嬉しいんですもん。 高杉くんの隣に腰を下ろして瞬くんを膝の上にのせる。瞬くんは私に体を預けてもたれ掛かった。 「あ…。」 「おわっ、あがった!!すげーおと!!」 「瞬、花火は静かに見て、音を楽しむモンだ。」 高杉くんがクツクツ笑って、コイツみたく静かにしとけや。なんて言うから、へ?と振り向くと、せんせえ、くちはんびらき。と瞬くんから一言。慌てて口を閉じる。 「ぼーっとしちゃうくらいに綺麗だなぁって思ってたらホントにぼーっとしてました…。」 「…。」 うへへー。って頭を掻いたとき花火の破裂音が激しくなって、スターナインだっ!って振り向いたら誰かの影で見えなかった。足に何かがあたる。 「あ、今なにかに躓いたね俺。」 「うん躓いたね!何に躓いたの?」 「うーん…地面?地球蹴って地面に躓いた!」 「地球に!?面白ーい!」 面白くもなんともないですよ邪魔ですよ。あなた方のせいでスターナイン終わっちゃったじゃないですか!まだ何回かあるとはいえ、スターナインの最後の連続柳は絶対見たかったのに…!! って、あ…目の前でキスしないでくださいよ!これだから夏に盛り上がっちゃうアホなカップルは…!! 『…。』 「綺麗だった、です…ね。」 「その位置、影になってたろ。こっちこい。」 「見てたんですか。」 「んなわけねーだろ、テメー見りゃわかんだよ。」 あ、確かに今の私顔赤いですね。なんか…高杉くん意識しまくりな気がします。ただのお友達になんてことしてるんですかね私は。 「せんせえとしんすけにいちゃんはさぁー、こいびとどうしなのにちゅーしないの?」 「ぶはっ!へ!?違うよ瞬くん!高杉くんみたいな色男が私なんて人間の底辺みたいなミソッカス、お友達じゃなかったら話相手にだってしないんだから!ほらっ、次二尺玉だぞ!?でかいんだぞっ!?」 えー。と瞬くんが口を尖らせる。いや、えー。じゃないよね、なんで落ち着かせようとしてるときにそういうこと言っちゃうの。 「うわ、ホントにでけー…。」 「なんか散り方…流星群みたい…。」 高杉くんは、ほぅ…と息を吐いて無言でそれを見、どこに仕込んでいたのか煙管とかいうテレビでしか見ないようなタバコみたいなものを口にしたので急いで奪う。 「静かに見るのはいいですけど、めちゃめちゃ今の格好に似合ってますけどっ、コレはダメですよ!」 「仕方ねーだろ今は。」 いや、今も昔も関係ないでしょ。なんて言おうと思ったら、今度は地元の小学生が考えた花火が始まるアナウンスが入ったので中断して夜空に目を向けた。 「う、うさぎの花火…!!」 「せんせえのドツボだな。」 「瞬くん正解です!高杉くん!うさぎかわいくnんっ!」 かわいくないですか?なんて珍しく大きな声を上げて聞こうとしたのに私の口は…た、高杉くんの…その…あの、ソレで塞がれた。心臓は確かにバックンバックンしてて、瞬くんの、にいちゃんにとられた…!!という声が遠くに聞こえた(触れるだけなのに頭は押さえられていて)(う、動か…ない)(し、なんだか顔が…) 銀八先生が、 最近の高校生は股が緩いんだ。二匹のゴリラ娘はまだしも、か弱い睡は特に気をつけとくようにべらァ!! なんて冗談みたいなことを言っていたのが頭をよぎる(ついでにタコ殴りにされてたのも) でもでもでもっ、確かに高杉くんは不良 of 不良!な、いかにも喧嘩も女も手が早いぜ!みたいな不良なイメージだったけど、昨日見てるかぎりだと、売られたら買う。来たら迎える。って感じで女性に不自由しないけど積極性もなかった(昨日、友達になって初めて知りましたけども) わけが、わからない。 状況も、理由も、考えも。 「ふ…ん…っ、はっ!なにするんですか!うわはぁぁあっ、恥ずかしい人だなあコイツ!うさぎの終わっちゃうまでキ…キスなんてしちゃって!!高杉くんのバーカバーカ!」 やっとの思いで離したときには、また一発づつの花火でショックだった。キス?あぁ、神楽ちゃんやお兄に取られまくっているので諦めつきました。家族以外の男性は初めてでしたけど…っ!! 「テメーが欲しくなっただけよ。別に減るもんじゃあるめー。」 「確かにファースト、セカンド共に兄に取られましたけど!でもっ、なんか…っ、こう、ねえ…?あれ?わけわかんなくなりました。」 「おれの…せんせえが減った。」 「うるせー。 俺ァ…初めから友達だなんて思っちゃいねーんだよ。」 「ちょ、本人目の前にしてそれは堪えますよ。」 もはや字じゃない 4ページ (あ、瞬くん、高杉くんてばちゅーしたとき悲しそうな顔してなかった?) (わかんねえ、とりあえずおれがショックだった。 あ、みんなに言ってい?) (ダメダメダメダメ!!!! あ、高杉くんもしかしてアレですか?禁煙すると口寂しいってヤツですか?) (まぁそれもないことはない、な。たぶん) (そんなんでキスされる私ってなんですかコノヤロー。) (せんせえキャラ。) 高杉くんてばようわからん。 あれ、こんなはずじゃなかったのに…な どうしよう、私がこういうの書くと展開早くてキモい。あいかわらずハタ杉なんじゃないか? ちなみに意識されなくてショックだったハタ杉さんは切なさ一割、口寂しさ五割、ふて腐れ四割でコトに及んだと。 睡は驚きと胸の高鳴りみたいなので混乱しすぎてなんか微妙な感じ、微妙な心境。 つまり“字じゃない=ぐちゃぐちゃ=混乱” 絶対につまらない授業は字がダルンダルンになるので← なんだろう、解説なきゃわからない話って切ない(違う意味で) 20090805 |