アガパンサス | ナノ
「ありがとうございましたっ、よければ感想お願いします!」



小さなお客さまに名前と感想をノート書き込んで貰って、もう一度、ありがとうございます!とお礼を言う。そんな私は受付。そしてそんな今日は文化祭1日目、10月3日。



「お姉ちゃんっ、王子様かっこよかったー!」


「やっぱりそう思います?彼、野獣の時の角、似合ってたでしょう?」



ちなみに野獣役は沖田くん、九ちゃん、妙ちゃん達がいますが今のシフト…11時から1時までは高杉くん。
不器用でつんけんした感じが野獣っぽかったし王子様に変身しても何の問題もないので頼み込みました!
文化祭期間中の昼食代は私が出すという条件付きでですが、なんだかんだで引き受けてくれるあたり優しいなぁと思います。



「うん!なんかホントに野獣って感じなの!王子様になるとかっこよかったの!ガストン可愛かった!でも野獣と同じくらい強いの!」


「ふふふー、そうなんです!二人とも強いんですよケンカ!」



そして今のガストン役は神楽ちゃん。戦いのフリだけの予定なんですがお客さまの話によるとリアルファイトになってるようです(さっきから、ガンガン音が激しいな。とは思ってましたけど…)(お互い強そうですし私は止めません、怖いもの!)
他のガストンは沖田くんの時は土方くん、妙ちゃんの時は近藤くん、九ちゃんの時は新八くんという上手くいったようでいっていない面々(特に最初の二つは恐ろしい…)(血の海です血の海)



「とにかく楽しかったよ!」


「そうですか、よかったです。」



ありがとうございます!とまた言うと、じゃあ私次のとこいくね!とその子は待っていたお母さんと思われる人のほうへ走って行った。



「うれしいなぁ…でもそれにしても疲れた…。あ、高杉くんや神楽ちゃんはコレ以上かぁ。」



商売繁盛もいいところ(いや、商売じゃないですけど)、10時に開催されて2時間といっぱい(あと15分で3時間)しか経っていないというのに入場者はすでに90人を上回っている。
団体入場出来るからなんだろうけれど、私のポスターが上手くいったんじゃあないかと思います!(考えた末、イラストを描いたあとに演じるみんなの写真貼りましたからね!)(みんなルックスいいですから羨ましいなぁ!!)

ずっと座ってて疲れた体をググッと伸ばして柔らかくする。この仕事、楽だけど疲れるなぁ。なんて思いながら教室から出てきた方々に先程の決まり文句を言った。



「ありがとうございました!よろしければ感想をお願いします!!」


「あ、はーい。」



その人達はうちの高校の女生徒。みんながみんな揃って、晋助がカッコよかったです。なんて書いてあったので、呼び捨てだなんて恐れ多い…。と若干尊敬。
それと同時に改めて、高杉くんってモテるんだなぁ。と思った。なんだか、少し気分がよくない(だってご丁寧にハートまであるから…)



「あ!アンタ…!!」


「は、はい!

アレ?私ですよね?」



一人で悶々と考えていると急に一人の女の子が私に声をかけてきて、ビクッとする。うわ、うわうわうわー…心臓止まるかと思いました…。

何故かみんなでヒソヒソしだしたので、どうかしましたか?と首を傾げると睨まれた。すくむ私(情けなくないです)(ホント怖いんです)



「あ、あの…どうかしましたか…?」


「…ブッてんじゃねーよ。」


「は?」



突然の言葉に間の抜けた声が出る。声があの、お家にいた変な人みたく冷たくて少し恐怖を思い出した。



「えと…なんて?」


「だからさー…晋助に媚び売らないで。」



…パードゥン?
え、ちょ、なんの話ですか?え?高杉くんに私なんかしました!?いやだなこういうの!
少コミでよく見る人気のあの人の彼女がリンチされるパターンみたいなセリフじゃないですか!

たしかに高杉くんケンカ強くてかっこよくて不良なのに頭いいですけれども!
で す け れ ど も!!
私、高杉くんの彼女であるわけがないじゃないですか!それこそ恐れ多いですよ!!
だいたい私ってば前に高杉くん本人から、友達じゃない発言されてますからね!嫌われてるかも疑惑出てるんですからね!



「聞いてんの!!?」


「ひぃっ!聞いてます聞いてます!聞いてますとも!!でも媚びとか知りません!話の内容がなんかよくわかりません!!あぁっ、打たないで!」



明らかにイラッとした顔を見せる一人にすかさずそう言って、それよりもですね…。と続ける。



「なによ。」


「周りのお客さまの注目の的ですねみたいな…。」


「ベターに体育館倉庫行く?」


「すすすすすいません!注目されて構いません!えぇそうですとも!体育館倉庫は遠くて疲れてしまうので嫌ですとも!!」



で、でもですね…。と開き直ってから口ごもるとバンッと机に手を置かれた(しかも4人)(…)(4人ですよ!(何))



「さっきから、なに。」


「後ろに…その、ご本人さまが…。」


「オイ。」



その低い声に女の子達はゆっくり振り向く。



「なにやってんだテメーら。」



高杉くんだ。
少し声が据わってて冷たい気もしなくもないから女生徒達から冷や汗がでる。私はなんだか慣れてしまって怖いとは感じなかった(だって女の子達の方が正直怖かったですし)(高杉くんは少なからず優しいし…)



「睡、お前も上がりだとよ。約束通り昼飯奢れや。」


「あ、この状況にはツッコまないんですね。」



少し驚いて言ってみると、腰抜けてる奴に何が出来んだよ。とニヒルに笑う彼。
大丈夫ですか?と女生徒に声をかけると、ほっとけ。と言い放たれた。彼に言わせてみれば、腰が抜けたぐれーで死にゃしねえよ。とのこと。

まぁ間違ってはいないんですけれども。



18で初めて味わう

(ねえ知ってる?3年の睡っていう最近高杉先輩とよく一緒にいる先輩、高杉先輩と同棲してるって噂!)
(あっ、聞いたことある!睡先輩って、あのホワンとした優しい人でしょ?
私、前にぶつかったとき凄い謝られちゃってさー、可愛くて少し憧れてるんだよね。)
(まぁたしかに可愛いらしいけど…天然作ってる感じしない?)
(うそー!そんなんじゃないって!もしかして高杉先輩とられて不満?)
(若干。でも仕方ないような気もするんだよねー…顔よし性格よし、テストは…悪いらしいけど家庭的みたいだし。

でもさ、三年の先輩に)


本気で許せないって人、いるみたい。





ははっ!ちゃんと長くなりました!1話にするはずが長くなりました!←
しかもこんな話聞いてないです何コレまたシリアス突入のつもりかテメーコノヤロー(自業自得)
ただ、やってみたかっただけなんです!しーちゃんに守られたかっただけなんです!あ、野心でちゃった☆(しね)
まぁ睡みたいな子、嫌いな人は嫌いらしいのでノリで書いてみただけなんだ(タヒ)
え?私はすきだよ!かわいいから!←

…がんばって終わらせます果てしないけど←←



20091008
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