アガパンサス | ナノ
「えと、家に戻ってきましたけど…何するんですか?」



私の部屋の物の配置は昨日から何一つ変わっていなくて、はっきり言うと逆に不気味です。高杉くんは室内を歩き回って何か探しつつも考えている。私の盗撮?写真を持ってですけど。


どうやら家中にカメラがあるようなんです。






「見つけた…。睡、ベッドの下にも一つあったぜ?」


「もうこれで11個ですね…なんだかすいません…。」


「俺ァ好きでやってるだけだ。」



ありがとう高杉くん。と言う私は何もできなくて、ただ部屋をウロウロしたり喉渇いていないかお茶出したりとか関係ないことしかしていない。
だけど彼は真剣に写真と部屋を照らし合わせてカメラの場所を割り出していっては細かく分解してくれている。将来は仏さまになれますよ高杉くんは。



「手洗いにも3つ。」


「もはや人権ないですね、私。」



なんで…?なんで私よりも一生懸命に探してくれるのだろう?そう考えるとやっぱり、高杉くん=善人という公式しか浮かび上がらない(初めは怖い人だったのに今じゃ頼りになる人だもの)(決め付けるなんて私、嫌な人間だなぁ)

本人に聞けばいいのだけれど、真剣にがんばっているのに私なんかが聞くのはなんだか野暮な気がする。
だから、すごいすごいいい人だから私個人の問題でさえ全力で解決してくれるのかな…?なんて考えたらチクリ、微かに胸が痛んだ(気のせいだなんて思うくらいに)



「一応、写真の角度から割り出せるヤツは全撤去した。」


「すご…。」


「ったりめーだ、造作もねえよ。」


「自信もすご。」


「あ?」


「すいません冗談です。」



だって私には写真からカメラの位置を割り出すなんて到底出来ないもの。
頭の造りが違うんだろうな…。と思いつつ、せめておもてなしくらいは。とお茶菓子を探していたら、いらねー。と私の行動に気付いていたらしい高杉くんが一言(私、なんか助けられてばっかだ…)



「管理人室行ってここ一ヶ月、不審者みてーな輩がいなかったか話聞いてくる。」


「や、そこまでしてくれなくても大丈夫ですよ!そんなにお世話になるには…。」


「いいから、世話してるつもりなんざねーよ。言っただろう、俺ァ約束は守る。」


「知ってますけど…。」



約束なんて。口ごもると高杉くんは、まぁお前さんは覚えちゃいねーだろうよ。と顔を反らした。表情は見えない。



「まァ言うなれば、恩返しってとこだ。」



恩返しだなんて…恩だなんて、売ったつもり、一度もありませんよ。
だってだって、家は近いけど学区が違うから高校生になって初めてあったのでしょう?それまで接点だってなかったのだから今年の夏、初めて話したでしょう?

混乱している私を余所に、高杉くんは玄関に向かっていって、俺が帰ってくるまで鍵は開けるんじゃねーぞ。と出ていった。



ページ目は
 書き込み過ぎた


(高杉くんに前にあったことあるってこと?でも常に眼帯なんて男の子とあったら忘れないでしょう…?)
あ!忘れるなんて高杉くんに失礼極まりないじゃないですか!)

ピンポーン

(あっ、今開けます!)


だとしても、なんで覚えていないんだろう?





今回は短い。そして終わらない気がしてきた←
どうしよう!stk編はどう終わらせばいいのっ!?←←

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20090825
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