へやじゅうに、いやらしいおとがなりひびく。それは、いままでたいけんしたことがない、みちのできごとで、からだはかのじょにはんのうするものの、あたまはまったくついていけない。それがかおにでているのか、かのじょはわたしのくびすじにしたをはわせながらわらった。それがいやというほどはんのうしてしまい、じぶんのこえではないような、あまったるい、こえを、だしてしまった。わたしははずかしくて、いてもたってもいられなくなり、かのじょをおしきってうずくまった。

はしたない。こんなじぶんが。

「椿…」

はずかしい。こんなじぶんが。

「椿。」

でも、いちばんいやなのは、

「顔をあげてよ、椿。」

もっとして欲しいとねだる、わたしの性。

END
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