(今日の練習メニューどうしよ。月曜に比べたら皆やる気があるけど、明日の練習をキツくして…)
夏の大会が終わり、先輩らは引退した。部長になった俺は夏休みに白石先輩から色々教わった。
季節も秋になり、地区の練習試合もある。新しいレギュラーの人の為にも新しい練習メニューを考えていた。
そんな時、

「財前君」

急に誰かに呼ばれた。振り返ってみるとそこにはクラスの女子がいた。
「何?」
曲を止め、イヤホンを外す。
「あんな、うちも財前君が忙しいんは知ってんねん」
そんな事言われても何が何だかさっぱりで、
「ごめん、何の話してんの?」
そう言うと思いっきりしばかれた。
「はぁ!?」
「クラス委員で財前君図書委員やんな?うちも図書委員やねんけど、一学期の時一回もこーへんかったよな?」
確かに夏の大会とかで全然行ってへんかった。
「あー…それはあやまるわ」
だがクラスの女子は止まらんかった。
「謝って済む問題ちゃうし、謝られたってうちも困る。とりあえず委員会でうちのクラスが火曜と金曜の放課後担当になったから金曜出て」
「え、昼とちゃうん?」
「財前君に行けって言っといた委員会が今日であんたが行かへんかったから昼の当番全部取られてん!!」
クラスの女子はキレた。
いや、
「そんなん俺しら「だからあんたは金曜だけ出ればえーねん!!」
そう言うとクラスの女子は去って言った。
「嘘やん…」



「って事で早速今日から代わり頼むわ。これが練習メニュー」
「おぅ!任せとき!!」
「ほんまありがとな」
「別にいいで。んじゃ行ってくるわー !!」
そう言うと金ちゃんは去って行った。

とりあえずあの後、残り少ない昼休みを利用し金ちゃんのとこまで事情を話した。
すると、「んじゃ、俺金曜日だけ財前の代わりやる!!」と言い出した。金ちゃんだけだと心配だが二年にも頼れる奴は何人かおったしとりあえず任せることにした。



放課後、荷物をまとめ図書室に向かう。
(どーせ誰もこーへんし、適当にやっとこ)
図書室の横にある司書室に行き先生に質問を受ける。頼まれたのはカウンターの仕事と最後の戸締まりだった。カウンターの仕事を簡単に教えてもらい何となく覚える。
とりあえず持っていた鞄を置き、カウンターにある椅子に座る。室内にいるのは俺と、真面目な受験生が二人。このメンバーなら大丈夫だろうと思い鞄の中から音楽プレーヤーを出し、イヤホンを耳に挿す。プレーヤーのディスプレイには16:00と表示されていた。
(後一時間か…てきとーに何か読んどこ)
返却台の上にあった小説を手にとる。映画化だとか何だで話題になった作品だ。暇潰しにはちょうど良いと思い、その小説を読むことにした。



(そんなんありえへんやろ。何でヒロインが魔法使えんねん、おかしいやろ)
何やかんやで作品にのめり込んでいたそんな時。

「あっ、光やん」

扉が開く音と共に聞き覚えのある声がした。

「げっ」

そこには、ついこの間までダブルスを組んでいた

「謙也先輩」
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