「何でみんな俺ばっか狙うの?10代目だから!?」
放課後、いつものように骸と帰ってるときに俺は思わず叫んだ。
ただの男子中学生が毎日マフィアだの何だのに狙われてると思わず叫びたくなる。
「さぁ、それはどうでしょうか」
横にいる骸はクフッ、と笑みを浮かべる。
戦いが終わった後、骸は何故か毎日、毎日、放課後に並森までこうして俺に会いに来るようになった。
最初の頃は獄寺君が騒いでいたが、別に無害だったので今ではこうして一緒に帰るのが普通になっていた。
「お前さ……それにしても毎日、よく並森に来るよな…どんだけ契約したいの…」
溜め息をつきながら俺が言うと、骸は立ち止まった。
「ねぇ、沢田綱吉」
「なに?」
「普通、好きでもない人の所に、毎日会いに行くものですかね?」
「え?」
「そういうことですよ」
クフッと笑うと骸は歩き始めた。
「そういうことってお前……」
マジわかんねぇよ…
「本当に馬鹿ですね。いや、アホですね」
バカにする目で骸は俺を見る。
「やめろよ!てか教えろよ!!」
すたすたと歩いていく骸を追いかける。
「やです」
「なんでだよ!!」
何で不機嫌な顔するんだよ?
てか何で毎日会いに来るの?
契約したいからだろ!?
(わかんねぇ!!)
「お前って好きな子ほど苛めたくなるタイプだろ」
書類の確認をしながら彼は話しかけてきた。
「何の話ですか?」
わざとらしい返事をする。
「もしオレじゃなかったら、お前絶対報われてないからな」
そう言うと彼は黙って書類の確認作業に集中した。
「何を言ってるんですか?」
(貴方だから苛めたんですよ。)