重なり合った掌を





※5000Hit『悪夢は夢でしかない!』の逆パターン(起こす側と起こされる側が)
※現パロ?
※甘々なサスサクを目指して。






カーテンの隙間から差し込む日差しと、小鳥のさえずり。そして、少しばかり冷んやりとした感覚。


ぼーっとする頭でそれを感じ取ったサクラは、視線を彷徨わせる。





「(目覚まし時計…)」




目的のそれは、愛しい彼の向こう側にあった。

確実に切ったということが伺える。今日は休みとは言え、寝過ぎは良く無い。
そして何かしら食事を取らねば、身体の疲れや循環は悪くなる一方だろう。


たとえそれが、前日どんなに疲れていたとしても、だ。


意を決してサクラは、背を向けているサスケの肩を軽く叩く。




「サスケくん、朝だよ」




そっと囁くと、寝返りをうち、サスケがサクラに顔を向ける。ものすごい不機嫌そうな表情と共に。


きっと思いの外目覚まし時計が大きな音だった為に寝起きが悪かったのか…それとも、別の何かを期待していたのか…絶対前者だとサクラは信じて疑わないが。





「起きてたんだね、おはよう」

「……はよ」

「朝食…というより、ブランチの用意するね」





布団から出ようと持ち上げた手は、愛しい彼の手と絡められていた。

昨夜から繋がれたそれを、今から外さなければならないと思うと、少しばかり寂しく感じるサクラだったが、早く食事を準備して、お喋りでもしながらのんびり過ごしたいという欲求の方が勝った。



…が、そんなサクラの決意虚しく、その前に手をそのまま布団に引きずり込まれた。


突然のことに思わず悲鳴を上げるが、サスケは一切気にすることなくサクラをぎゅっと抱き込んだ。




「えと、サスケくん? 起きないの?」

「まだ…」




まだ…?

もしかして、まだ眠いのかな?


抱き締められるのは嬉しい。
でもなぁ…とサクラは複雑な心境に、困った顔。
サクラを胸に抱き込んでいるサスケには見えていないのだが。





「まだ…離さなくても、いいだろ…?」




そう言ってサスケは繋がれた手をサクラの前に持ってくる。





「っ、うん…」




みるみると赤く染まった顔を、今度はサクラからサスケの胸へと埋める。

とても穏やかな顔をするサスケ。
勿論、サクラからは見えないのだが。


重なり合った掌を

寝ても覚めても離さない

End
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最近めっきり寒くなりましたね…
布団が私を離しません←

タイトルは「セレナーデ」様よりお借りしました。

2015.12.9

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