だって、連休だもん♪
『ふふふっ』
「なまえ、そげん笑って、何かいいことでもあったと?」
『今千里といること〜♪』
「それはオレもったい」
そう言って千里は笑って、繋がれている私の右手をギュッと握ってくれた。それが余計、私を嬉しくさせるってこと、わかってるのかな?
*******
五月頭にくる連休…GW。
今回の連休は、オサムちゃんと蔵ノ介の計らいでテニス部はお休み。だから、レギュラーで私の恋人の千里も、マネージャーである私もお休み。
四月はなにかと忙しかったから、久しぶりにデートしたいなぁ〜と、思っていたところに千里からのお誘い。
嬉し過ぎて千里の腕にくっ付いて連れられた先はここ。
『ねぇ、千里…』
「なん?」
『…今から何するの?』
「トトロのDVD上映ったい!」
『さいですか…』
千里の家だった。
いや、何度か来たコトあるから緊張はしないし、千里もいるから不満があるわけじゃない。
…とも、今回は言えない。
何で、お家デート?
折角の連休なのに?
『ねぇ千里、トトロもイイけど、お家じゃなくて外行こうよ、外!』
「…トトロば見たいとね」
『でもほら、すごくいい天気だし!お出掛け日和だよ!』
「…トトロ」
『……』
千里がトトロ好きなのは、今に始まったことじゃない。
けど、ここまで粘る?
千里は私の言葉をスルーして、着々とDVDをセットしている。
『お出掛けは、したくないってこと?』
「…今日は、なまえとトトロば見たか…」
本当にトトロが見たいだけ?
頑なにお出掛けを拒否してるのは、どうして…?
『もしかして…私と出掛けるのが、いや…?』
「そんなんじゃなか!」
『じゃあ、何処か遊びに…』
「今日は休まなきゃダメとよ」
『…え?』
それって、どういう…
「なまえ…この間倒れたこと、オレが知らんと思っちょる?」
『千里…』
ウソ…バレてたんだ…
つい先日のこと。
千里がまた放浪してた時に、私はちょっと体調を崩した。
倒れたって大袈裟な言葉を使うのは違うとは思うけど、その日、蔵ノ介にはかなり怒られた。(むしろ蔵ノ介に怒られた方が辛かった…)
『蔵ノ介に聞いた…?』
私の問いかけにゆっくり頷くと、千里は抱きしめてきた。
「……なまえはいつも頑張り過ぎったい。無理して倒れて欲しくなか。ばってん、なまえは実際倒れた…今日くらい、休んでて欲しか」
肩に埋められた千里の表情はわからないけれど、背中に回された腕が、微かに震えてる。
心配掛けたくなくて蔵ノ介に"言わないで"って言ったのに、私ってばバカ。
蔵ノ介だもの、千里に言うに決まってるよね。
「なまえが何にでも一生懸命なのは皆知っちょる。だから今日は…」
『…蔵ノ介とオサムちゃんが休みにした…?』
私の肩越しに頷く千里。
千里だけじゃなくて、皆にも心配掛けてたことを改めて感じる。
胸がキシキシするような痛みが走った気がして、思わず千里の背中に腕をまわす。
その瞬間私の背中にまわされた腕の力が更に強まる。
『だから、出掛けたいって言ってもスルーしてたの?』
「確かに、なまえと出掛けたか。だけん、オレが見てないところで倒れて欲しくもなか…オレはなまえのこといつも支えていたいと…」
こんなにも素敵な彼氏を頼らないなんて、やっぱりバカだな私。
『…千里…』
「今日はトトロに癒してもらうったい!」
そう言って私の顔を覗き込んできた千里の笑顔は、本当にキラキラしてた。
そうだね…
休日っていうぐらいだもん。
休まないと、だよね?
でも、明日はお出掛けしないと…
だって、連休だもん♪
(…あ、)
(ん?なまえ?)
(あのね、千里…千里の気持ちはすごく嬉しいんだけど…)
(何ね?)
(…正直言って、部活で一番大変なのは、なかなか来ない千里を探すことなんだけど?)
(……)
End
ーーーーー
タイトルが某王子っぽい(笑)
きょーこさんとLINEでお題『GW』に挑戦しようと盛り上がった結果がこれ(笑)
なんだろう、これ(笑)
グダグダだし
まさかのちょいシリアスだし←
2013.04.29
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[ mokuji]
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