宍戸亮の反撃






『髪サラサラー!綺麗!羨ましい!!』





なんてニコニコしながら勝手にオレの髪を触ったり、結ぼうとしたりするなまえ。

幼馴染の特権とか言っては、なまえはオレの髪を一本に括ってた。





『亮ちゃん、可愛い!』

「っ、そうかよ」





お前の方が可愛い…とか、跡部なら言えんだろーが、生憎オレは言えねぇ。

男に可愛いとか言うなと言ってやりたいところだが、なまえの笑った顔見てっと、まぁいいか…ってなる。


…いや、本当はただ恥ずいだけか。激ダサだ…



ああでも、一度でいいから反撃…っつーか、なまえの照れて真っ赤になった顔とか見てーな。




何てことを、バッサリ切られた髪をいじりながら思い出す。



もうなまえに、可愛いとか言われない…


そう思うと、嬉しいような寂しいような…





『亮ちゃん!お、はよ…う…』

「なまえ……はよ」





そう。今日は髪を短くして初めてなまえに会う日。


なまえの大きく見開かれた目から思わず背けた。そりゃ、ビックリしたよな…





「あー、なんだ…これはその…可愛くはねぇ、だろ?」





いや、何言ってんだオレ?

可愛くはねぇだろ?って、そりゃそうだろ。

まあ、オレにとってこれは重要なことだけどな!…って、何だこの言い訳。

とりあえず、なまえにはちゃんと、何があったかくらいは言わねーと…


顔を上げると、少し頬の赤いなまえ。

って、は?





「なまえ…?」

『あ、えっと、確かに可愛くはない…けど、でも…




すっごくカッコいい』





オレの顔から、ボンッ!と音が鳴った気がした。


宍戸亮の反撃

(あ、もしかして亮ちゃん、照れてる?)
(は!?んな訳あるかよ!!)
(ふふ、可愛い!)
(っ、)

反撃は無理らしい。

End
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いいな、こんな幼馴染←

2015.2.4

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