仁王雅治の不満
「あ、」
鞄に触って思い出したのは、教室の引き出しに明日提出期限のプリントを忘れたことだった。
……今から行ってもしょうがないき、どーせあのハゲ教師じゃ。明日にするぜよ…
そう考えて、何事もなかったかのように…
「仁王。先生に向かって、例え事実だとしてもハゲは駄目だろう。ちゃんとプリントは提出しろよ?ただでさえお前は目を付けられているんだから…」
「……プリ」
…帰るとはいかず、魔王様の見えざる圧力により、一人教室に戻るのだった。
*******
もうそろそろ自分の教室…というところで、笑い声が聞こえてきた。そっと覗いて見ると、人影が二つ。
…みょうじと……誰だったか…。
同じクラスなのだが、名前が出てこず唸っていると、その彼女から自分の名前が出たために驚いた。
「あんた仁王くんと仲いいよね」
『そうかな?』
なんじゃみょうじ、そうかなって。
絶対そうじゃろ。今名前が出ないそいつよか、おまんとの方が仲いいに決まっとる。
そう言ってやろうと扉に伸ばした手は、次に届いた質問のせいで止まった。
「仁王くんのこと、ぶっちゃけどう思ってるわけ?」
『…どうって?』
「だーかーらー!好きかどうかってことに決まってんでしょ!」
好き、かどうか…
もちろん、自分の答えは好き、だ。多分、友人としてだと思う…
きっと彼女もそう答えるだろう。
それが正しいはずなのに、何故か胸がチクリとした。
扉の後ろで屈んで待った彼女の答えは、予想の斜め上を行くものだった。
『嫌いだったら話したりしないよ?』
「もっとこう、関係を表す感じで答えなさいよ!」
『関係…
仁王とは、親友かな』
ちょっと、親友はあたしでしょー!と抗議する声が遠くで聞こえる。
ただ頭を占めるのは、先ほどの言葉だけ…
親友
友人として好き…の最高ランクだろう。嬉しいはずなのに、嬉しくない。その響きが仁王の気持ちを引き出すには、そう時間はかからなかっなった。
そうか、俺はみょうじのこと…
スクっと立ち上がると、仁王は教室の前からそっと立ち去る。
プリントは明日でよか。
とりあえず、みょうじのことは明日からなまえって呼ぶか…
仁王雅治の不満
親友止まりのつもりはないき、覚悟しときんしゃい
End
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仁王は好きだけど恋人とか旦那にはしなくてもいい
そんな友人の言葉より←
私もずっとファンでいたい派です!
って、新年一作目がこれっていいのだろうか…まぁいいか!
今年もどうぞよろしくお願いします★
2015.1.3
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