君の姿は誰に似ている




※CVネタ注意
※SRヴェリトールエピネタバレ注意






『じー……』

「ナマエ君、どうかなさいましたか?」

『いやね、ヴェリトールを見てると、なにか引っ掛かるというか…誰かに似ている気がして……』

「以前、ルリア君達にはウラムヌラン君に似ていると言われましたが…」

『ウラっちに?』

「はい。この止まることのない涙と、彼の右目の少し下の化粧とがおそろいだと」

『なるほどね。でも…うーん。そういうピンポイントなことじゃなくて、もっと全体的なもの、なんだよねぇ…』




そう言ってナマエは、視線はそのままに数歩下がって、両手の親指と人差し指とで枠を作り、ヴェリトールを囲む。

まるで絵の画角を決めるかのように前後の調整をしていると、その隙間に後ろを歩いていたグランが入り込んだ。



『…あ、アルカナソード』



現在のグランのジョブの格好…帽子や配色、雰囲気がヴェリトールと似ているかもしれない。しかし…



『ダメだスッキリしない。何だろう、このモヤモヤ…』



それが答えでは無いようだ。




『なにかを思い出しそうというか…』

「随分と記憶の片隅にいるようですね。その、私と似ている何かは…」

『記憶…それだ!』

「それ…とは?」

『ちょっとヴェリトール、指をこうして、こう、ポーズをとってみて!』

「はぁ…こう、ですか?」

『そうそう!それでね……』




ナマエはポケットから手帳を取り出すと、何かをスルスルと書く。疑問符を浮かべるヴェリトールへと向けられたのは、かぎかっこで括られた言葉ーーいわゆる、台詞だった。




『そのポーズのまま、これ読んでみて?』

「《全て記憶している》」

『っうんうん!後これも!』

「《記憶は君を忘れかけていた。思い出させてくれるかな?》」

『っ、やっぱりそれだぁ!ありがとうヴェリトール!解決したよ!』




手帳を勢いよく閉じると、嬉しさのあまりか、ジャンプしたナマエ。途轍もないアハ体験をしたからなのか、鼻歌までし始める始末。

そのままの上機嫌さで去るナマエを、呆気にとられたままヴェリトールは見送ることしか出来ないのだった。


君の姿は誰に似ている
(それを知って満足しました!)
End
ーーーーーーー
タイトルは某機動戦士から。
答えはFTの記憶の造形魔導士さんでした☆
何故、ナマエさんが彼を知っているのかは、ノータッチの方向で!←
2017.6.21

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